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popyoursに行ってきた。
周りにヒップホップを聞く友達がいなかったため、私は初めてライブに行った。
幕張に向かう電車の席を徐々に個性的なファッションに身を包む若者が埋めた。
国内最大級のヒップホップフェスは、演出も楽しい。会場には壁の落書きや、工事現場、ネオン管など"ストリート"を再現するオブジェが至る所にある。
ほぼ裸とも言える服を着たギャルが至る所で写真を撮り、仕事をしているとは思えない髪型の男性グループが行き交う。
スタッフが嫌な顔で列を誘導している横を、ニヤニヤしながら会場へ向かった。
最高のアーティストと最高の演出に終始魅了されっぱなしだった。
シーンを引っ張ってきたアーティスト達は、成功は語らず、冗談を交えながら会場を盛り上げた。
若者たちが会場を埋める中、同世代のアーティスト達は決まって、MCで夢を語った。
「私は去年、みんなと同じところでステージを見ていた」
新世代のフィメールラッパーLANAが言うと気がついた。この会場にいるのは私のようなヘッズだけではない。
会場にいる、仕事をしているのか疑うような、髪型やタトゥーを彫った人たちはラッパーかもしれないということだ。というかほぼ間違いない。
どおりで彼らの真剣度が違う。彼らに対するアーティストの眼差しが違う。
日本にとって新しいカルチャーであり、SNSで知名度に瞬発力がある今、本当にあのステージに誰が上がっているかわからないのだ。
それを感じた瞬間に震えた。アーティストのステージの立ち振る舞い全てに注目が注がれる。
曲でどんなにかっこいいことを言っても、実際に見た時、ライブがかっこ悪ければ説得力がない。
大音量で流れる音楽で、大勢の若者が踊る空間には同時に、そういった緊張感も流れていた。
結局、2日日程6.7時間立ちっぱなしのフェスで土日が終了した。今日の出勤は地獄を見たが後悔はない。
あまりに単純だが、若い私は、自分が今満足する人生を送れているのか真剣に考えてしまった。