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筋肉の流れと重心

1 体はねじれの連鎖でつながる


筋肉や関節が捻じれている
ーというと
ゆがみをイメージする表現として
用いられることが多いようです。

筋肉は関節を挟んでねじれながら
バランスをとっています。

例えば肘関節をはさんで
二の腕の筋肉が内側にねじると
前腕の筋肉は外にねじれます。

さらに、手首は内、そして指まで
関節ごとに外 内 外とねじれながら
つながっています。

このことで、関節は安定し、
動きをスムーズに行うことが
できるのです。

関節や体幹は、筋肉の流れ方向に
動かしやすく、
流れに逆らう方向には
動かしづらくなります。

このねじれの均衡がくずれ、
ねじれバランスが崩れることで、
上腕の軸がまっすぐ通らなくなります。

これが ねじれのゆがみとなります。


2 重心も筋肉の流れにより生まれる


重心の偏りは、
だれもに見られる現象です。

重心も筋肉の流れにより生まれ、
前腕部 下腿部 骨盤部の筋肉
の流れる方向が重心側となります。

重心が生み出す姿勢の癖も
筋肉の流れバランスの上に
成り立っています。

椅子に座って足を組む場合、
上に組む足の太ももは内側に
すねは外にねじれて
バランスが保たれています。


右重心タイプの人の
脚の組み方と
筋肉の流れ

床に座ってあぐらを掻く場合、
上になる足の太ももは外側に
すねは内にねじれて
バランスが保たれています。


右重心タイプの人の
あぐらのかき方と
筋肉の流れ

横座りの場合も、
足を横に投げ出した足の
太ももは外側に
すねは内にねじれて
バランスが保たれています。


右重心タイプの人の
横座りの足のくずし方と
筋肉の流れ

この様に、筋肉の流れに合わせ

ねじれバランスが保たれている場合、
見た目より関節や筋肉に
負担はかかっていないといえます。

これらの姿勢の癖が 必ずしも
体をゆがませるものでない
ことの
根拠となるわけです。


3 筋肉の流れと重心


椅子に腰掛けた時 右足を上に組み、
床に座った時 左膝を立てる癖の人は、
右重心の人が多い
です。

立った時に、骨盤の筋肉やスネの
筋肉が右方向に流れる
時計回りの流れを呈します

そのため、右方向への重心移動が
しやすくなります。


一方、
椅子に腰掛けた時 左足を上に組み、
床に座った時 左膝を立てる癖の人は、
左重心の人が多い
です。

立った時に、骨盤の筋肉やスネの
筋肉が左方向に流れる
反時計回りの流れを呈します

そのため、左方向への重心移動が
しやすくなります。

筋肉の流れは、今まで見てきたような
横への流れのほか
縦方向の流れがあります。

縦の流れは、肩甲骨や腸骨の
前傾、後傾によりみられるものです。

肩甲骨や腸骨の前傾側では、
前側は上から下への流れ
後ろ側は下から上への流れ

になります。


肩甲骨や腸骨の後傾側では
前側は上から下への流れ
後ろ側は、下から上への流れ

になります。

肩甲骨や腸骨の後傾側は、
荷重側ー重心側の逆側となります。

つまり、重心のかかり方により、
筋肉の流れは決まってくるわけです。


4 筋肉の流れに沿った刺激 逆らう刺激


筋肉には、頭から指の先まで
筋肉の流れがあります。
筋肉の流れは、重心の掛かり方により
変わります。

右重心タイプの筋肉の流れ方向
左重心タイプの筋肉の流れ方向



つまり、
右重心タイプと左重心タイプとでは、
筋肉の流れ方向は 逆になります。


この流れ方向に沿った刺激は、
交感神経が緩む 体にとって
優しい刺激になります。
筋肉が緩み、血液循環や
リンパを促します。

腱を弾いて緩めるときも、
基本は息を吐きながら
筋肉の流れ方向に弾きます

関節を矯正する意味合いで
用いる時は、息を吸いながら
筋肉の流れに逆らって
弾くこともあります。

どちらも、腱の線維に
垂直方向に弾きます。

マッサージや按摩を行う方向も、
筋肉の流れ合わせると、筋肉が緩み
血液やリンパの循環を促します。

筋肉の流れに逆らった刺激は、
筋肉を興奮させ、筋肉に力を付けます。
負傷部の固定で委縮した
筋肉のリハビリには、
筋肉の流れに逆らった
刺激法を使います。

筋肉や関節をテーピング固定する時は、
筋肉の流れと逆方向に巻きます。

関節をはさんで、逆方向に巻くため
関節が安定します。
コルセットやバンテージも
同じ要領になりますね。

5 筋肉のねじれを整える筋ツイスト


関節をはさんで、上下の筋肉を逆方向に
筋肉の流れに合わせてひねります。

太ももとすねの筋肉を 逆方向にひねる


二の腕と前腕の筋肉を 逆方向にひねる


ねじれの可動範囲まで、
息を吐きながら ねじり切ったら
息を吸いながら パっとねじれの
圧を抜く。

ねじられた筋肉がもとに
戻ろうとする力で
筋肉のねじれが矯正されます

筋肉の流れにアンバランスがあると、
関節をはさんだ上下で、
ねじりやすさの差が生じます。

この状態では、筋肉のねじれが
大きい方向に捻じれ、
軸が通らなくなります。

筋ツイストを行うと 
関節の上下に見られるねじりやすさの差が
自然な形で是正され、
結果として
関節が矯正され、軸が通るのです。




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