多摩川の生き物とヒト その242 水系 多摩川自然観察会 御岳 ‘24/9/15
多摩川の自然を守る会主催の多摩川自然観察会が涼しいだろうと思う青梅市御岳で行われた。参加者6名。
臨時のホリデー快速おくたま号に青梅で乗り換え、御岳駅で下車。しかし、おくたま号から大量の下車する人が無人の改札口からホームまであふれかえる。この人達は信号を渡ったケーブルカー行きのバスに吸い込まれていた。坂下まで続く大勢の人達のため、バスは続けて3台、出ていった。
御岳橋のたもとから渓谷へ降りる。シュウカイドウが咲いている。よく見ると、雌花と雄花がある。雌花はすでに軍配みたい実を、雄花ではチョコンと黄色の雄しべを着けている。
川辺へと下るとラフティングをしている人達でにぎわっている。ヒガンバナがつぼみを着け、一部は咲いている。高温のため、有名な高麗などは咲いていないそうだ。バーナリゼーション(春化処理=早咲きのチュ―リップのように寒くした後、暖める)のように積算温度ならば、もっと早く咲いてもいいだろう。バショウもあり、崖沿いに大きな茎を伸ばしている。捜したら、白い房みたいな花があった。
ビワやカキ、そしてヒガンバナが植えられている私有地の脇を通り、杣の小橋を渡る。橋のたもとではラフティングのボートに乗る人たちで大賑わい。上流には白丸ダムから導水された多摩川第三発電所からの水が勢いよく良く出ている。眼下には石が石により削り取られたポットウオールが見えている。
渡り切ると、ハグロソウ、ボントクタデ、まだ咲いていたタマアジサイがあった。朝早く降った雨のせいか、足元が濡れている。ウバユリの実などを見つつ、下る。ラフティングの人達と手を振る。まるで、ディズニーのよう。
大きな岩の下を通る。お目当てのイワタバコは花が終わり、実になっていた。
御岳橋の下に戻る。8月の終わりの台風10号による増水で掘られたのか、ヤマグワの根元が表れ、オレンジの根が出ている。
水を触ったが、ダムの下流から流れているので冷たい。手の感覚では15℃ぐらいで、湧水ぐらい。巨岩を見つつ、玉堂美術館の脇の急坂を上がる。苦労した分、ご褒美があった。ナシの原種、ヤマナシがあり、たわわに実っていた。上の方は捕れないので、地面に落ちたのを拾う。かじったが、すごく硬いが、少し甘い。この硬い実を何百年もかけて大きくし、甘くするなどの改良を続けてきたのだろう。
橋を渡り、先ほどの御岳山へ行く人で賑わっていた坂道を下る。流された御岳小橋のたもとでS氏がハローを見つける。彩雲なのかハローか、何かはわからないが、空に薄い褐色の虹。ずっと空を見上げていると時折通る人が何事かと尋ねて来るが、薄くてはっきりとわからない様子。それにしても、こんな空にハローなどの不思議な事があるなんて。これから空も見つめていきたい。
川べりの道を下っていく。黄色いキンミズヒキ、触るとはじけるツリフネソウ、十五夜に使えそうなススキ、白いセンニンソウなどが咲いている。
野草を多く植え、マツなどの樹の実で飾りを作っている家を過ぎる。もうクリが無人販売所でミョウガ、青いユズなどと共に売られていた。
風が凪ぎ、木陰ならぬ日に当たらないだけましな歩道わきの東屋で昼食。チャチャとウグイスが鳴いているが、暑くても元気なガビチョウのさえずりのほうがよく響いている。休んでいる時にはモンキアゲハがいた。暑いので、近くの冷たい小川の水を吸っていたのか。トンボが多く川面を飛んでいる。「アカトンボではなく、ウスバキトンボが多くなってきたらしい」と聞いた。
「お山の杉の子」の歌碑の前を通り、小沢酒造のままごと屋に出る。余りにも暑く、帰りを軍畑ではなく、沢井に変更した。
清酒のタンクが両側に並ぶ坂道を上がる。途中には休憩所もあるぐらいだった。
駅では電車を一本のがし、ベンチで休む。青梅線は高い所を走っているので、風が心地よく吹いている。青梅では35,4℃にもなっていたと後で知る。涼しかったのはラフティングをしている人達だけだった。
来年こそは軍畑を目指したい。
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