多摩川の生き物とヒト その210 水系 多摩川自然観察会 昭島から 日野まで 右岸 ‘24/4/21
今年度(2024年度)最初の観察会。
昭島から拝島橋を渡り、右岸へ。秘境を通り、ナイアガラと勝手に呼ばれた日野用水堰を見て谷地川へ。昨年、歩いたコースの逆となる。参加者4名。
昭島駅に集合後、街中を歩き、日枝神社へ。坂を下り、境内へ。ヨツバムグラ、チチコグサ、ウラジロチチコグサ、などが咲いている。ブタナがヒトデみたいな面白いロゼットを広げ、花を着けている。「赤坂にある日枝神社との関係は?」鳥居の目の前に水路みたいのがあるが、吸い込み口がある。しかも、内部に管がある。「用水を埋め立てた後、堀を作ったのではないか?」と言う疑問がふつふつと湧いてくる神社だった。
境内を横切り、また坂を上り、拝島大師へと続く大師道へ。カリンの並木があり、ピンクの花等を見つつ、単調な道を進む。
休日でも車が多い国道16号に出る。歩道横の用水路には水は無かったが、食べられなかったセイヨウカラシナの元気な、大きな個体がいくつもあった。
拝島橋に出る。奥多摩の山々が見えるが、18日にあった黄砂ほど霞んでいないが、少し、春霞。ヤナギの種が飛ぶ「柳絮」となった。近くのシラカシやクスノキなどの常緑樹も古い葉を落とす[常盤木落葉」と言う新緑の季節になった。橋の欄干ではハグロケバエが飛んで来た。見かけが悪く、呼び名がケバイと言うだけで、害虫とされてしまう。いずこも同じだ。
橋を渡り切ると、カントウタンポポなどが生えている土手を進む。集会場跡やひまわり児童園跡横を進む。ヒメコウゾが咲いていて花火みたいな花が面白い。途中から流れている用水には釣り人がいて、「この用水は昭島市清掃センターから出る排水で、温かい。」との事。タイリクバラタナゴがいたり、カワムツなどが生息しているそうである。「タナゴの産卵場所となる貝類も放したい。」との事。「もう、これ以上、自然を変化させないで」と願う。そのうち、温かい水を好むグッピーを、同じように排水を流している上水のように、放されてしまうかもしれない。
集団でいるムシがいて、きれいな金属状になっている。私一人では気付かない種(しゅ)が見つかる。集団でいるので、ムシ嫌いのヒトはぞ~~とするかもしれない。ヒゲナガガがよく飛んでいる。季節に合わせて羽化しているらしい。今日はその日だと思った。
イノシシがタケノコを掘った跡もある。クサノオウ、カキドオシが咲いているが、アオイスミレはすでに咲き終わっていた。秘境の出口にはヤブニンジンや猫の目には見えないヤマネコノメソウがあった。秘境を抜けると、ウワミズザクラがあり、ぶら下がった花の穂が面白いオニグルミの前でようやく昼食。見る物が多く、これから先、どうなるのか。
お昼を食べている日野用水堰にはすでにカモ達が飛び立っていたが、まだ、コガモやハシビロガモが残っていた。
昼食を食べ、元気を取り戻し、再開。途中でカスマグサ、カラスノエンドウ、スズメノエンドウを一緒に撮ろうと工夫していた。キジが出てきて、誰かがケ~~ンと真似したが、さすがに反応しなかった。
カワセミがダイビングしたり、ホオジロがさえずり、モズが梢にいたりと飽きない。
八高線付近はアキカラマツ、ツリガネニンジンなどが生え、野草の天国。線路によって、堤防が分断されているので、ヒトが近づけられないためだろう。
八王子水再生センター前を通る。対岸には多摩川上流水再生センターもあり、下水処理場が多い。両方に管が通っているとの看板がある。空には管がないので、地下に通してあるのか。
多摩大橋をくぐり、粟の須みどりの広場前へ。雄大な生態系保持空間が広がる。堤防の間にはネダケの根だけを切った跡が続いている。
右手から用水が流れてくる所まで来た。水路を白く染めていたのはハマダイコンだった。旧礫間浄化施設付近も白く染まっていた。実も食べられるとの事なので、試食する。大根の辛いのと同じ味がした。
上から見下ろす谷地川の河川敷を彩っていたのは紫色のオオアラセイトウ、黄色のセイヨウカラシナ、白色のオランダガラシのアブラナ科だった。パチンコ屋さんの近くのバス停にやっと出た。夕暮れには間に合った。
春になり、多くの生き物に出会った一日だった。
以下の勧め記事は多摩川の自然を守る会の活動とは関係ありません。