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ボードゲームを売るには?

初めまして、いそべです。お久しぶりの方はお久しぶりです。
アドカレ記事を3本書くとか書かないとか。

この記事は東大ボドゲサークルWeepleのアドベントカレンダーです。
今回は、ボードゲームカフェの店員の経験と、ゲムマ2024秋でEngamesのお手伝いの経験から、「ボードゲームの売り方」について個人的に思ったことを書き連ねていきます。

ポケポケについては触れませんよ!
さてさて、さっそく本編です。


ボードゲームを売りたい!

ここでは、ゲームマーケットにおけるボードゲームの売り方について考えていきます。

どうやったら作ったボードゲームを買ってくれるんでしょうか?
色々、買ってくれる要素はありますよね。

  • 需要と供給の合うような「価格」?

  • 魅力的な「ゲームシステム」?

  • 「影響力の大きい企業」から販売する?

私は今挙げたものではなく、「試遊」が最も購買に結びつきやすいと思っています。

試遊するけど、買わないなあという人は少ないと思います。
「ボードゲームのパッケージやコンポーネントで買う人」よりも「試遊して、楽しかったから買う人」の方が圧倒的に多いです。

「試遊でなくても買ってるや~ん」

もちろん、「友達と遊んで楽しかったから買う人」もかなりの母数で存在しています。かく言う私自身、「友達と遊んで楽しかったから」ボードゲームを買うことが多いです。

では、「試遊」はなぜ重要なんでしょう?

私の考えとしては、購買行動の「楽しかったから買う」という部分に直接的にアプローチをかけられるからです。

「商品の説明」だけ、「商品を広げて置いてある」だけでは、ある程度の人数しか買ってくれません。
Engamesのお手伝いとしての体験から、さらに「試遊」の重要性を話していきます。

Engamesのスタッフとしての体験

私は「フォルティシモかるた」と「トリオ」の試遊スタッフとしてインストを行っていました。


フォルティシモかるた

「フォルティシモかるた」:
フォルティッシモ(とても強く)やスタッカート(音を短く切る)などの音楽用語の指示に従って読む「かるたゲーム」です。
1人が音楽用語の指示に従って言葉を読み上げ、
他の人はその表現に合う取り札をいち早く取ります。先に5枚の札を集めた人の勝ちです。

Engames


トリオ

「トリオ」:
「手札のある神経衰弱」。
カードは1~12が3枚ずつ。特殊カードなどはありません。
手札が配られて、全体のカードの中から、「同じ数字カードを3枚(=トリオ)見つける」ことを目指します。

Engames

Engamesを代表する「イッツアワンダフルワールド」「キャンバス」「コーヒーラッシュ」や、「ヘゲモニー」、「キューバーズ」、「ファラウェイ」などが展示してありました。

キャンバス(撮影:私)

Engamesのブースに来るお客さんはとても多かったです。
あくまで体感ですが、そのうち4割も買っている気はしませんでした。
一方で、試遊ブースに来られたお客さんの約8割は買ってくださいました

ゲムマ2日目の途中で、「フォルティシモかるた」はなんと完売しました!

売るのって難しい?

さて、「試遊」が重要なのは理解されてきたと思います。

この章では、「『試遊』はしてくれるけど、買ってくれない…」という場合に、見直すべきもの、逆に言えば、「なぜ『試遊』して買ってくれるのか」ということについて話していきます。

1.「ゲームの面白さ」

そもそも作ったゲームが面白くなきゃ、話が始まりません!!!

というのは冗談で、「どんな人に刺さるボードゲーム」なのか?をまず初めに理解しておきましょう。

  • 年齢層は?

  • 性別は?

  • 地域は?

  • ほかに好きなボードゲームは?

買ってくれそうな人の要素をあげる=買ってくれる人の解像度を上げる必要があります。

「ペルソナを定める」ということですね。

買ってくれそうな人の解像度が低いと、販売するときの伝え方にも影響してきます。「ペルソナ設定」をしていない場合は、ぜひ行ってみてください。

2.「ゲームの面白さ」を伝える

理解したら、今度は伝える番です。インプットしたものをアウトプットしましょう。

「分かりやすく伝えるにはどう説明すればいいのか」
「このゲームの魅力はどう伝えれば分かってもらえるか」

先ほどのペルソナ設定から、どう説明していくかを考えましょう。
「考えて、伝える」を繰り返すことで、伝え方自体の上達していきます。

「インストが上手い」というところにも通じますが、相手の反応を見て伝えていきましょう。双方向な場での、一方的な販売は利益につながりません。

また、全てを伝えることが正しいわけではありません。
詳細に理解したいなら、ルールブックを読み上げているのと変わりません。
時には省いて説明を行うことも大切です。

3. 「試遊に向いている」ボードゲームなのか?

「試遊」には向き不向きがあります。
「試遊」に向いているかのポイントとその理由を挙げていきます。

  • 回転率

回転率が悪ければ、範囲の広いペルソナでも、プレイ感が良くても、「試遊」できる人数が限られてしまいます。

「ヘゲモニー」1プレイの試遊とかだと、良くて3回転とかではないでしょうか。

しかし、「ルールを少し省く」、「勝利条件を緩くする」、「ラウンド数に制限をかける」などによって、回転率は短縮できます。

面白さが伝わるいい塩梅まで調整しましょう!

  • ペルソナの範囲

ペルソナの範囲が狭ければ、狭いほど、買ってくれる人の母数も少なくなっていきます。

最終的に、「製作者自身」だけが面白いと思っているパターン…

「プレイ感」と同様に製作段階で、テストプレイを重ねるなどして対策していきましょう。複雑すぎる処理に面白いと思っているのは自分だけかも…?

  • ダウンタイム

プレイ感、特にダウンタイムが長いボードゲームはあまり試遊に向いていません。
ダウンタイムが長いと、プレイ時間長くなってしまいます。
特に製作段階で気を付けるべきことですね。

4. 笑顔

ぶっちゃけ、これはかなり重要です。

ボードゲームに限らず、笑顔で楽しそうに説明することで「ボードゲームの楽しさ」が伝わります。

単調に、事務的に説明するのではなく、オーバー気味に、相手の興味を引くような間を心がけましょう。
自分自身の感じた魅力がより伝わりやすくなります。

あなたの笑顔で売上が変わります!!!


~私の考える売れるボードゲーム(オマケ)~

「3.『試遊に向いている』ボードゲーム」の話から、単純に考えると、

「回転率が良く、ペルソナの範囲が広く、ダウンタイムの短いもの」

が「試遊」向きであり、売れます。

どんなボードゲームでしょうか?

パーティーゲームです。

販売個数だけを考えると、パーティーゲームが最も有利でしょう。
しかし、ゲームマーケットでの販売を考えると、パーティーゲームなだけではなく、「初対面」でも楽しめるということも必要になってきます。

パーティーゲームは奥が深い…

また、前回の記事に周りの方から「面白かったよ~」と反応がありました。
ありがとうございます。
次はブースカットのデザインについて話していくつもりです。
では、また。


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