各カードゲームから見るポケポケの流行
こんにちは。初めまして、いそべです。
普段はドミニオンをやったり、デザインをしたり、写真を撮ったりしています。来年は代表になるとかならないとか。
気になった方はどうぞ~
#うぃーぷるのあどかれ 第2本目です。2本目にして、ボードゲームにほとんど関係ないですが、ご愛嬌ということで。
早速、本編です。
ポケポケの事前知識
「Pokémon Trading Card Game Pocket」通称:ポケポケ。
『ポケモンカード』がもっと身近に!というキャッチコピーで、配信されているDCG(デジタルカードゲーム)アプリです。
11月8日にDL数は3000万以上。10月30日が配信開始日なので、さすがはポケモンといった感じですね。
Google Play ストアでは無料ゲーム、売上のどちらのランキングでも1位です(2024年11月時点)。
去年7月にリリースされた「Pokémon Sleep(ポケスリ)」と比較すると、今年の6月に2000万DLを突破したことから、かなり成功している気がします。
さて、ゲームシステムですが、本家ポケカとはかなり違うものになっています。
勝利条件がサイドではなく、3ポイント先取制、デッキ枚数が20枚(同名2枚まで)、エネルギーがエネルギーゾーンに溜まる、サポートが先行に使えるなど…
かなりカジュアル層によせたルールやカードになっています。コインに依存するカードも多いため、個人的には「硬派なカードゲーム」がしたい方向けではないです。
ポケポケ流行りすぎてないか??
至る所で、ポケポケをしている人を良く見かけます。大学構内、電車内、道行く人、etc…
DCGとしては、他にも遊戯王マスターデュエルや、デュエル・マスターズプレイス、MTGアリーナ、シャドウバース、ハースストーンなどが存在しています。
ざっくりとした概要として、
遊戯王マスターデュエル(2022年1月~)
遊戯王をそのまま、OCG化し、累計6,000万ダウンロードを突破した。
現在のSteamでの同時接続数は1.8万人程度(Steam Chartより)
通称:MD
デュエルマスターズプレイス(2019年12月~)
デュエルマスターズを本家としている。コストや効果などで若干違いがあります。
ダウンロード数については分からなかったが、GooglePlayでは50万以上となっていました(2024年11月時点)。
通称:デュエプレ
MTGアリーナ(2018年9月~)
マジック:ザ・ギャザリング (通称:MTG)を元としている。
2018年9月から配信開始。2022年時点で、1,000 万人以上の登録者を持っていたらしいです。
シャドウバース(2016年6月~)
シャドウバース自体が本家であり、TCGとして「Shadowverse EVOLVE」を展開しています。
累計ダウンロード数は3,000万を突破(2024年2月時点)。
通称:シャドバ
これらのダウンロード数などから見ても、ポケポケは圧倒的にプレイヤーが多いことが分かる。
(MDに関しては、コロナによりプレイヤーを大きく獲得したが、勇者などの登場から環境が激変し、プレイ人口が減少した)
カジュアル層を取り込んだ
ではなぜポケポケは流行っているのか。
見出しにもしていますが、カジュアル層を上手く取り込んだのが大きな理由だと思います。
上記にあげていたOCGはポケポケと比べると、「硬派なカードゲーム」です。
デュエプレでも盤面制限やマナで扱う文明の違いがあるとはいえ、ナーフを行わずに実装するカードもあるため、本家デュエマとかなり似ています。
そんな中、ポケカから効果の調整や、スマホで遊びやすくルールに大きく変更することで、カードゲームを普段やらない人でも遊びやすくなっています。
また、ポケポケのすごいところはゲームの調整だけでなく、毎日無料の2パックの大盤振る舞い、パックの開封のシステムや、ゲットチャレンジというシステムを組み込んだことです。
ここまで、ゲームシステムをカジュアル層に寄せたことを話してきましたが、カードゲームのすべては対戦だけではありません。
カードの収集も大きな楽しさの1つです。
レア度があると集めたくなってしまうのが、人間の性です。
ポケポケで使われているイラストは過去のポケカで使われたイラストであり、懐かしさを感じるプレイヤーもいるだろうと思います。
しかし、収集に多くのお金がかかるとなると、どうしてもカジュアル層を獲得できません。
そこで、ポケポケは1パックが12時間ごと、1日2パックが無料で開封できます。無課金でも楽しめる工夫が詰まっていますね。
パックの開封のシステム
パックが円形に並んでおり、その中から、1つを選んで、開封の線をなぞることで開封できます。
普通のOCGのパック開封や、ソシャゲのガチャとは異なり、開封のスキップができません。
「対戦する体験」をメインにしている多くのOCGでは、パック開封は作業と化してしまいます。しかし、ポケポケはパック開封で「収集する体験」もメインにしているため、スキップできなくすることで、「パック開封の楽しさ」自体も体験として提供してくれています。
ここが大きな差別化を生んでいると私は感じています。
また、パック開封は単調ではなく、パックに個体差があったり、ムービーの流れるカードがあったりします。
また、集めることがミッションになっているカードもあるため、「収集する体験」はかなり充実しています。
ゲットチャレンジ
ゲットチャレンジとは、カードが獲得できるシステムです、他の人が開封したパックが見えるようになっており、1パック(5枚)から裏向きで1枚選びます。
つまり、欲しい1枚のカードが来る確率は1/5(20%)です。
チャレンジ結果が表示されるため、一喜一憂が楽しいんです!
しかも、強力なカードをゲットできれば、対戦のためのデッキのパーツになります。
ゲットチャレンジ自体にも遊ぶためにチャレンジパワーが必要ですが、こちらも時間で回復します。
スマホ向け、カジュアル向けなシステム設計を行ったことで流行ったというのが見えてきましたね。
今後、似たようなゲームは覇権を取れるのか?
今後、ポケポケのようにカードゲームを本家とし、アプリ版として大きく改良したOCGは覇権を取れるのでしょうか?
個人的には難しそう…というのが結論です。
ポケポケは「ポケカがそもそもカードゲームの中でも人気であり、カジュアル層が多い」「ポケモン公式が大きな資本を持っている」という最強のバックボーンがありました。(普通のOCGとして、Pokémon TCG Onlineがサ終していることもあり、スマホ版として改良せざるを得なかったのかもしれません)
そのため、普通のカードゲームがアプリ版として大きく改善したとしても、それほど流行らないと考えられます。
また、資本がないと「収集する体験」を生み出せるほどのエフェクトやムービーが作れないため、かなり難しいと思います。
一切、流行らないカードゲームはそもそもアプリ版の開発にまで踏み込めないので、無名のカードゲームがポケポケのようなアプリになるというのも厳しいだろうと思います。
最後に
皆さんも良いカードゲームライフを~
次回更新は明日(12/4)です!
その他記事もぜひ~
さて、ここから先はオマケです。
その頃、ゴッドフィールド…
突然ですが、「ゴッドフィールド」というサイトをご存知ですか?
アプリ版も配信されていたり、VTuberが大会を開いたり、たまに配信をしたりすることもあるため、この記事を読まれている方の中にも「ゴッドフィールド」を知っている人はいるのかもしれませんね。
何も知らない方のために概要を置いておきます
ゴッドフィールド(2020年~)
デッキ不要、ターン制のカードゲームで各プレイヤーが順番にカードを使って攻撃、防御を展開します。体力が0になると敗退となり、最後まで生き残ったプレイヤーが勝ちになります。
ターン制のカードゲームと聞くと難しいように感じるかもしれませんが、簡単に言うと「運ゲー」です。
レートが上がると運ゲーではなくなるらしいです(?)
なぜゴッドフィールドを取り上げたかというと、ポケポケのリリースによってゴッドフィールドのプレイヤー人口が激減したからです。
デッキ構築がなく、ルールが分かりやすく、さらにプレイ時間が短いため、カジュアルに遊べたゴッドフィールドですが、ポケポケにその座を奪われかけているのかもしれませんね。
かなり昔のことですが、武器が捨てられない仕様になったこと、公衆乱闘(レートのないランダムマッチオンライン対戦)がなくなってしまったこともあり、ゴッドフィールドの人口は少しずつ縮小しているように感じます。
そこにポケポケの到来がさらに向かい風になっているのではないでしょうか。
とはいえ、ポケポケ自体も「カスミを代表するコインの運ゲー」、「先行はエネルギーゾーンにエネルギーが発生しないため、後攻が有利すぎる」などの問題を抱えています。
また、対戦だけでなく「収集する体験」においても、だんだん新しいカードを得られなくなってきていたり、コンプリートしている人もいないわけではないため、今後の継続的なアップデートが必要になってくるのではないでしょうか。
これで本当にこの記事は終わりです。
お読みいただき、ありがとうございました。