発酵と腐敗の違い ~堆肥づくりの裏側~

はい、11本目の投稿です。よろしくお願いいたします!
 
今回は仕事の話、我が社の事業紹介も兼ねて書きます。
実は、会社のInstagramアカウントを開設したのだけど、投稿2本から全く更新がありませんww。
宣伝する気あるのかな?って感じ。まぁ、それは総務部の仕事なので、品質管理の私としてはnoteでぼちぼち宣伝をしていくことにします。
 
さて、我が社の事業。業種で言えば、「産業廃棄物中間処理業」。ちょっとカッコよく言うと、受け入れた廃棄物を魔法のように加工して製品化し、販売するっていう感じです。
 
その中でも今回は「堆肥」について書きたいと思います。
 
「食品廃棄物を利用し、木質チップを副資源とした化学合成物質を一切使用しない環境にやさしい堆肥を作っています。」・・・弊社HPより引用
 
製造の流れをおおまかに説明すると、
1.受入工程
工場の受入ピットにて食品廃棄物を受入れます。
 
2.原料調整工程
木質チップ(伐採した木などを細かく砕いたモノ)と食品残さを独自の配合で撹拌混合機に投入し、時間をかけて均一に練り混ぜます。
 
3.堆肥原料の排出工程
練り混ぜた堆肥原料は、ベルトコンベアーを経て外部に排出します。
排出時は練り混ぜた堆肥原料から水分が流れ出ないよう木質チップを床材として敷きならした上にパイル状(畝)になるように排出します。
 
4.発酵工程
専用撹拌機にて堆肥の撹拌を繰り返し、好気性発酵を促します。堆肥の発酵温度や水分を日々測定し、堆肥にとって最適な間隔で撹拌することで、短い期間で農作物に適した良質な堆肥が出来上がります。
 
5.熟成工程
好気性発酵を促した堆肥は微生物の活動で70℃以上温度が上昇し、木質チップや食品廃棄物の分解が進みます。また70℃付近で3週間以上発酵を繰り返しますので雑草の種子や大腸菌などの有害な菌を死滅させますので、安心して農地に利用していただけます。
 
6.堆肥の利用
出来上がった堆肥は各種試験を行い、農家の方が安心して利用していただけるようにしています。自然農法で地力を高めて、化学肥料や農薬に頼らない健康でおいしい農産物の栽培をしていただけます。
 
ところで、よく「生ゴミを混ぜて放置しておけば勝手に堆肥になるんじゃないの?」って聞かれるんですが・・・
 
実はここに「発酵」と「腐敗」の違いがあるんです。どちらも微生物の働きで食品が変化する現象なんだけど、決定的な違いは「人に役立つかどうか」「人間にとって有益か有害か」で区別されます。
ただし、その判断は文化や個人の価値観によって異なることもあります。
 
発酵は、人間にとって有益な変化。例えば、味噌や醤油、ヨーグルトなんかがそうですね。一方、腐敗は...そう、あの生ゴミの嫌な臭いを思い出してください。それが腐敗です。
 
つまり、堆肥づくりは「腐敗」ではなく「発酵」なんです。
微生物の力を借りて、食品廃棄物を植物の栄養たっぷりの土に変身させる、まさに魔法のような過程なんですよ。
 
ちなみに、「熟成」って聞いたことありますよね?チーズやワインでよく使われる言葉です。これは微生物というより、食品自身の酵素による変化なんです。発酵とはちょっと違うんですね。
 
さあ、次に野菜を買うとき、その野菜がどんな土で育ったのか、ちょっと想像してみてください。もしかしたら、あなたが食べ残した食事が、巡り巡って新しい野菜を育てているかもしれませんよ。

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