「2匹の犬」

ひらり、ひらりと羽が降る
漂う様に落ちてくる。
小さな白い鳥の羽。
きっと暖かいのだろう。
この指とまれと指を差す。
指の先で冷たく溶けたその羽は、
透明な水滴へと変わる。
その水滴の向こう側、
犬の死骸が横たわる。
もう反射しない黒い球。
あの毛はきっと、酷くちくちくするだろう。
羽は溶けずに積もってく。
さてさて、これはどうしたものか。
ふと足元に目をやると、血溜に両足が浸かる。
もう四半時ももつまいな。
誰か見つけてくれるだろうか。
哀れで汚い2匹の犬を。


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