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無邪気な奴ら


 眠れない夜が明け、昨日の延長線上の明日になったとき、外に出たくなった。

 東北の朝の冷気は人間に容赦ない。
雪が一粒落ちてきて、地面にぶつかり、三片に砕け散った。

 私はどこへ向かうともなく、歩き続けた。

 目の前をふらりふらりと歩いていた小さな女の子が、突然に駆け出した。正面からやってきていた同じ背丈の男の子に勢いよく抱きついた。

 無邪気に抱きつける相手が、私にはもう何年もいない。

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