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読書記録#2 コンビニたそがれ堂

コンビニたそがれ堂〈祝福の庭〉 村山早紀


温かいスープが入った木のボウルに木のスプーンが当たった時のなんとも素敵な丸っこい音。

村山早紀さんが綴った文章を読んでいると、言葉が紡がれてこの世に誕生するときはそんな温度の高い音が聞こえるんだろうなと思う。

いつからおとぎ話を鼻で笑ってしまうようになったんだろう。
昔は妖精や、魔法使いやサンタクロースが友達だった。私はどこでたくさんの愉快な友達とはぐれてしまったんだろう。悲しいような、寂しいような、自分を抱き締めてあげたいような気分になる。

しかし、御伽話の住人はきっとかつての友人だった私を、忘れてはいない。
いつか、不意に、あの頃の無垢な表情を浮かべて旧友たちに再会できるはず。
そのときには、幼い頃に夢中になったおとぎ話の、その先を確かめることができるだろう。

そんな暖かな灯りを、道標のように私の人生にともしてくれた作品。

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