ヨツンバ
これは小学生の時に体験した話。
その当時「ヨツンバ」と言う話がクラスの中で話題になった。その話を聞いてしまうと夜中にそのヨツンバと言うモノを見てしまうと言う。
休み時間の時クラスメイトの1人がその話を私に突然話し始めた。私は怖くなり耳を塞いでその話を聞かないようにした。だが、最初のさわりの部分だけ聞いてしまった。なんとなく
話を全部聞いてないから大丈夫だろう
と言う気がした。
そしてその夜。布団に入ってしばらくしてから突然パチッと目が覚めた。何か物音が聞こえたわけでもないのに何か妙に目が冴える目覚めだった。
常夜灯によって深いオレンジ色に照らされた室内。いつもと変わらぬ夜の部屋の光景があった。
ただ一つを除いて・・・
「あっ・・・」
私の口から声が漏れた。部屋の真ん中。天井から吊り下げられている四角い傘のついたところで光る常夜灯。その少し横ら辺に人間の胴体のようなものが浮かんでいた。しかしその胴体には
頭が無かった・・・
その肌色の胴体からは手と足のようなものが4本力なくダラァと垂れ下がっている。瞬きをしながらそれが何なのか認識しようとしたがよく見ても、それが手なのか足なのかも分からない。ただ胴体のようなモノから垂れ下がり、浮遊してるだけでピクリとも動こうとしない。
なんとなく胴体から垂れ下がる何か。まるでそれは生き物がヨツンバいになっているナニかにも見えた。
私は怖くなり布団を頭から被ってそれを見ないようにした。
どれぐらいの時間が経ったのか、それともいつの間にか寝てしまっていたのか
布団から顔を出すと昨日いたナニかはそこにはもういなかった・・・
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