ある村の記録 No.2
これはある村の記録
あれは私が小学3年生の時のことです。
当時夏休み中で
夏休みって、今でもあるんですかね?
ラジオ体操、あるじゃないですか。
地区の子たちと集まってやるやつね。
ある夏の日のこと
その日は朝から小雨が降っていて
今日はラジオ体操あるのか、ないのか、微妙なところでした。
ただ母が一様行ってみたほうがいい
誰もいなかったら帰ってくればいい
って言うんで
めんどくせーなーと思いつつ近くの空き地に行きました。
まあ、案の定誰もいない。
ほらね
と思っていた。
でも、
1人いたんです
広い空き地の少し奥の方に1人たたずんで
真っ赤なワンピース
真っ赤な靴
長い黒髪の女の子
自分と同じくらいの歳の子だと思うんですけどね
なんだよ、誰かいるじゃん
と思って
今日ラジオ体操あるー?って声かけをしたんですけど
彼女なにも反応しない
それどころかずっと私とは真逆の山の方を見てるんです
おーい!おーい!
反応がない
なんだよもうええわ
結局私は帰ったんです。
家に帰って彼女が何を見ていたのか考えてみると
視線の先って
墓地だったんです。
それに
よくよく考えてみると
私が住む地区には
3つ上の男の子2人に
3つ上の大柄な女の子が2人
しかいないんです。
同じ年頃の女の子なんて
いないんです。
じゃあ彼女は、誰?
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