小学物語29
チビという名前のポインターだった
白黒の大きなブチ模様で
とにかく体つきがしなやかで
美しい犬だった
それと クロ
なぜか雑種の赤犬(輝く茶色の毛)
毛並みがきれいでなでるとすべすべ
おらの学校には
回旋塔がある
傘みたいな形
持ち手が地面に固定されており
ビニールとその骨組みが
棒を中心にして
くるくる回るって
イメージ
で
傘の柱にあたる部分は
高さ4.0m
傘のビニールに当たる部分は
長さ2.5m
でかい
どうやって遊ぶかというと
傘のビニールの端をつかんで
ぐるぐる回す
どんどん回すスピードを上げる
つかまっているのは
一人
回転数があがる
遠心力でつかんでいたやつは
どんどん柱から離れるとともに
上昇していく
そして
手を離して
安全地帯のマットめがけて
飛ぶ
という遊びだ
もちろん普通の遊び方ではない
マットから
はずれれば
地面はアスファルトだし
普通に けがをする
止めろー
止めてくれ
回す奴らは全力で回す
回り始めで手を離すと
弱 と呼ばれる
もちろん回し手の体力が
無くなるまで
長い時間つかまって
いられれば
それはそれで尊敬される
どちらの体力が先につきるか
回転させる力か
端をつかむ力か
また 何回転もすると
目が回って
目測を誤って
アスファルトに飛んでいく
おらたちはこんな危険な
遊具を開発したやつは
きっと
やべー大人だなと言っていた
マッドサイエンティストだと
おらたちはそんな大人には
ならないように気をつけようと
まじめな顔をして話した
次の日
寝ている2階の部屋から
1階に降りる
チビが
おはよーって感じで
工場(こうば)から
こちらをのぞいている
しっぽを
ふりふりしてこっちを見ている
学校に行くと
回旋塔が撤去されているところだった
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危ないものや
やばいものは
世の中から排除される
コモンセンスを大事にして行動しよう
娘へ
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