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「サニー・スポット」第8回

 調査委員会は翌々日の早朝六時に準備会議を開き、調査の方法と時間を決めた。市内のホテルの一室を借りて、就業時間後の一時間半までを目処にして、双方から事情聴取を開始することにした。当初、経緯についての双方の説明では、片方が一部について黙秘する点を除いては一致した。
 だが、その経緯をどう捉えどのように感じたか、そして現在は何を望んでいるかについての双方の言い分は、微妙な食い違いを見せた。当事者一人について五回ずつ計十回の聴取を経て、全体の事実経過が浮かび上がってきた。
 
 岸場は入行後本店での六ヶ月の研修期間を終えて、峰坂支店の窓口営業課に配属された。高藤は峰坂支店個人営業課の融資係長で、同じ営業推進部のフロアで席が近かったこともあって、岸場が客の質問に即答できずに立ち往生していると助け船を出すことがあった。
 岸場は高藤を信頼し、分からないことがあると自分から質問をするようになった。三年後二人は別の支店に転属となったが、その四年後、高藤は峰坂支店の課長待遇のローンセンター長となり、岸場も同センターに配属された。

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