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おばあちゃんの指輪

歌いたいと唐突に思い立ってから、歌を出す事が決まるまで、約3ヶ月。
やけに展開が早くて、ふと振り返ってみた私は、あることを思い出した。
おばあちゃんの指輪、持ってきてからだ。
そのさらに2年前の2020年、私の祖母は102歳で亡くなった。
その頃、世界はコロナの真っ只中…
遠い地元にいた祖母に、私と娘は会いに行くことができなかった。
3回忌を迎え、私達はようやく祖母に会いに行く事ができた。
母が整理した遺品を見ていたら、その中に翡翠の指輪があった。
それは元々祖父のネクタイピンだったもので、祖父が亡くなった後、祖母が指輪にして形見として持っていたのだ。
祖母は前から、自分が死んだらそれを私にくれると言っていたのを、すっかり忘れていた。
祖父母は、シングルマザーで教師の仕事が忙しかった母のかわりに私を育ててくれた。
私は祖父母が大好きだったけど、思春期には反抗したし、沢山迷惑をかけた。
祖父母は、何があっても私を見離さないでいてくれるはず、という甘えがあった。
祖父が亡くなってからも、祖母には色々迷惑と心配をかけ続けた。
私が23歳で結婚と出産をして、ようやく安心できたんじゃないかと思う。
結婚式の時、祖母とバージンロードを歩いた。その頃祖母はもう80代半ばで、元気なうちに少しでも感謝の気持ちを伝えたかった。
結局、その後約18年、100歳を過ぎるまで元気でいたんだけど。
ただ悲しかったのは、祖母の願いが叶わなかったこと…
自分が祖父のもとへ旅立つ時は、みんなに見送られたい。それが祖母の願いだった。
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祖母と祖父、ふたりの形見となった指輪を、私は大事に持ち歩くようになった。
歌いたいと思い立ったのは、それからすぐのことだった。
それだけでも不思議だったけど、話はそれだけでは終わらなかった。

つづく😎💍🎙

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