5話 登校
「椎名さん、何しに来たんだろうな、学校でもいいのに家にまで来るなんてよっぽど僕とクラスメイトの話が気になってるのかな」そこら辺が僕にはよく分からなかった。
「でも、好きでもないのになんで気になるんだろう」そういえば椎名さんを助けてから話す機会増えたな。
「とりあえず今日は早く寝るか」いつもより寝るのは早いが夕食と入浴を済ませてから寝ることにした。
翌朝。
ーーピンポーン
チャイムの音がして目が覚めた。
「誰だろこんな時間に、まさか椎名さんかな」そう思い扉を開けるとそこには隣の席の小林春菜がいた。
「はるな、どうしてここに?っていうかなんで僕の家知ってるの?」目の前の少女は小悪魔のような顔をしてこういった。
「昨日、ともきが帰る時に後を付けさせてもらったんだよ」
「それってストーカーじゃん!」
「いいや?あたしはただともきがどんな家に住んでるのか気になって尾行しただけだよ」
「なるほど、それなら僕と一緒に帰ればよくない?」
「それもそうだけど、そんなことしたら周りに変な目で見られるじゃん」
「確かにな」
「だから、尾行するしか無かったのよ!ごめんなさい!」
「反省してるみたいだし今日は許すけどもう尾行なんてしないでね」
「分かったわ!ありがとう、良かったら今日一緒に登校しない?」
「分かった!一緒に登校しよう」
「ありがとう!ともき」本当は椎名さんと登校したかったけど仕方ないか。実は今日朝8時に近くのコンビニで合流して登校することになっていたのだが、無理になってしまった。「こりゃ、怒られるな?」とボソッと心の声が出ていたのに気が付かなかった。
こうして、昼になり学校の売店で昼を買っていると、隣には天使様がいた。
「あの、相澤さん!少しいいですか?」あの、椎名さん。そのオーラを感じているのは僕だけでしょうか?凄い黒いもやもやが出てますよ。言葉にして言おうとしたがそんなことはしない。すれば十中八九怒られるからだ。
「なんですか?椎名さん」
「今日の朝一緒に登校するはずだったのになんでこなかったのでしょうか?」
「それは、急用が出来てしまいまして、集合場所に行けなかったんだ。この埋め合わせは必ずするから許して欲しい」
「わかりました!では週末買い物に付き合ってください」
「分かった」それで僕は週末天使様とデートすることになった。
「あぁ、次は自分から誘うって宣言したのに
情けないな」僕が落ち込んでいる時は天使様は慰めてくる。後ろに視線を感じるが今は気にしないでおこう。