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48話 領主様との対面

「おはよう、ともき!今朝のニュース見たか?」
「おはよう、れん。今朝は寝坊してニュース見てる暇なかったんだよね!何かあったの?」れんは今朝のニュースの速報を話してくれた。
「つまり、空を飛んでる人がいたってこと?」
「人かどうかはわかんないけどそういうことだ!怖いだろ」
「確かに、怖いね」学校が終わったら異世界に行って情報収集してみるか。 
「ともき、今日一緒に帰らない?」
「ごめんね。今日は大事な用事があるんだ」「私に言えないようなことなの?」
「言えるけど、場所がね」
「なるほど、そういうことならいいよ」どうやらもみじも察知してくれたみたいだ。
「異世界行くのか?」れんが小さい声で聞いてくる。
「うん。だってそれくらいしか心当たりないし」
「俺も一緒に行ってもいいか?」
「いきなり大勢で尋ねるのは申し訳ないから今日、僕が行った時に紹介しておくよ」僕はれんやもみじに見送られる形で異世界へ渡った。
「ここも久しぶりだな」ラビーと初めて会った場所だ。僕はマップを見て近くの町の冒険者ギルドへ向かった。
「ようこそ冒険者ギルドへ!」
「久しぶりです!カーナさん」
「久しぶりね!アイザワくん」
「聞きたいことがあってきました」
「なんだ!依頼を受けに来たんじゃないの?」
「すみません!」
「それでこの世界で空を飛べる生物はどれくらいいる?」
「それなら、魔族か竜族じゃないですか?」
「魔族と竜族か」確かに、想像はしていた。
「あとは、伝承にしかありませんが精霊も空を飛べると言われています」
「そっかぁ、ありがとう!」
「あの、実は領主様からアイザワ様に依頼の指名がございまして」
「ここの領主様からですか?」
「はい。内容はダンジョンの探索です。ちゃんと報酬もあります」
「報酬ですか?」
「えぇ、大昔の偉い人が残した書物でどんな願いでも3つまでなら叶えられるそうです。我々はそのような書物を賢者の書と呼んでいます」
「分かりました。その依頼、受けます」
「かしこまりました。それでは領主様のお屋敷に行って貰えますか?」
「この街で生活する上では会っておいた方がいいですよね?」本当は行きたくないけど領主を敵に回すのは嫌なので行くことにした。
「そうですね。行った方がいいと思います。今、ギルマスを呼んでくるので待っててください」
「分かりました」待っていること十数分。
「君がアイザワ君か。ニーナから話は聞いてるよ」
「はじめまして、ギルドマスター」
「堅苦しいのは良してくれ。ローランだ」
「じゃあ、ローランさん」
「私も今日領主殿の屋敷に行く用事があるから一緒に行こうと思ってね」
「そういうことでしたか」
「ここから領主殿の屋敷までは馬車で10分と言ったところだ」
「馬車ですか?」
「君は馬車に乗ったことが無いのかね?」
「無いですね」
「なら、さっそく行こうか」
「はい!」馬車に乗って10分ほどが経過した頃大きな屋敷が見えてきた。
「着いたよ!ここが領主殿のお屋敷だ」
「随分大きいですね」
「やぁ、ごきげんよう。あなたが冒険者のアイザワ殿ですか」
「はい。私が冒険者のアイザワです」
「ようこそ!レシーナの町へ。私はこの町で領主をしているレシーナ・マインです」
「女性の領主なのですね」
「えぇ、この世界では女性しか魔法が使えないんです。だから女性が領主になるのがこの国の法律です」
「そうなのですか」
「えぇ、あなたもこの町に来て疑問に思ったのではないですか?なぜ女は魔法を使っているのに男は使っていないのか、と」
「そうですね」確かに、この町に来てから疑問に思っていた。力仕事などは男がしているが男が魔法を使っているところは見た事がない。
「それで、あなたは賢者の書を手に入れたら何を叶えたいのかしら?」
「私は魔法を使えるようになりたいと思っています」
「あなた、性別が変わるかもしれないわよ?」
「覚悟の上ですし、両性というのも悪くないと思います」
「うふふ!あなた、面白いわね」婦人は途中で言葉を止めて笑った。
「気に入ったわ」
「早くダンジョンに行きたいのですが」
「分かったわ。ダンジョンに行くことを許可しましょう」
「ありがとうございます」この日は町でゆっくり過ごしてダンジョンへは翌日向かうことにした。


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