41話 冒険者ギルド
体育祭も終わり月曜日は振り返り休日となった為、僕はこの週末を利用して異世界で冒険者登録をすることにした。日本では金を稼ぐことが出来ないのでありがたい。
「冒険者ギルドへようこそ!」明るい声の受付嬢が希望者に向けて挨拶している。
「あの、冒険者登録をしに来ました」
「新規登録希望の方ですね!」
「はい」
「あなたが怪我した場合、当ギルドは責任を負い兼ねますのでそこのところご注意ください。それでもよろしければこの先にお進みください。試験を行います」
「分かりました」僕は受付嬢の指示に従い指定された場所へ向かった。
「俺は試験管のハービスだ!お前が登録希望者か!」試験管を名乗る男性は威圧的な態度で接してきた。
「はい!」
「良い返事だ!試験内容は至ってシンプル。俺に一太刀でも攻撃出来ればお前は合格だ!」
「よろしくお願いします!」僕は試験管に対して攻撃を仕掛けた。あいにくと魔法は使えない為、頼みの綱は剣術のみ。
「お前の実力はこんなものか!」
「まだまだです!」相手に手を抜いている様子は見られない。
「ちょっと、、ガチでヤリすぎですよ!」どうやら先程の受付嬢も見に来たようだ。
「これくらいで根をあげるようでは冒険者など到底務まらん」
「そうですよね」さすがにその言葉は聞き捨てならないのでそろそろ当てたいな。
「終わりです」相手も疲れていたのか隙を見せたので首元に刃を近付けると降参と言いながら両手を上げた。試験管からはロビーで結果を待つように言われたので指示に従った。
「アイザワトモキさん、受付に来てください」
「はい!」どうやらやっと結果が出たようだ。
「すみませんがギルドマスターに会っていただけませんか?」
「ギルドマスターにですか?」
「えぇ、あなたが試験管を倒したと聞いて是非会ってみたいと仰っているんです」
「分かりました。是非、会いたいです」
「ありがとうごさいます!こちらです」受付嬢に着いていきギルドマスターに会いに行くことになった。
「ようこそ!冒険者ギルドへ。君が噂の冒険者だね?」
「そうですね」
「まぁ、かけたまえ」
「失礼します」
「それで、まず聞きたいのだが剣術のみでハービスを倒したというのは事実なのかな?」
「事実です。受付嬢さんも現場にいらっしゃいましたよ」
「そうかい」ギルドマスターは1度会話を区切って深呼吸してから続きを話し始めた。
「さて、困ったね。ハービスのランクはB。ただの新人が勝てるような相手じゃないんだよ」
「ランク?」
「君にはまだ説明してなかったね。クレアくん説明頼むよ」
「はい!冒険者にはランクが存在します!最低がFで最高がSなのですが、、」受付嬢は途中で説明を辞めてしまったが続きはギルドマスターが説明してくれた。
「確かにここから先、クレアくんが説明するには権限がないから無理だね。変わりに僕が説明しようか」
「あの、権限?」
「君は気にしなくていいよ。Sの続きだったね」ギルドマスターは続きを話し始めた。
「Sの続きと言っても2つしかないんだ」
「2つ?」
「あぁ、MとNだ。だがこの2つに至った者はこの国にはまだいない」
「そうなのですね」
「君のランクは一応、Fからスタートだ他の者と区別する訳にはいかないからね。今日は帰ってもらっていいよ」
「分かりました。失礼します」今日のところは日本に帰って正式に依頼を受けるのは明日から始めることにした。
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