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『ポセイドン・アドベンチャー』【1972年米映画/小説】

BGMを聴きながらお楽しみ下さい

【感想】

2024年9月19日投稿【感想だけでもご一読頂けましたら幸いです】

名作です。子供のころハラハラドキドキしながら観ていた記憶があります。客船が転覆して船底が逆になり、生き残るには空気が残っているであろう船底へ向かうが、行く先々に試練が待ち受けており、特に海水が溜まった部屋?を潜水しないと進めないなど、一人一人が息を止めて泳いでいる間、自分も息を止めて、苦しくなって息を止めていたことに気づくほどでした。更なる試練は、1人また1人命を奪っていきました。他人のために犠牲になる場面では号泣しました。映画が始まって早いうちに転覆し、救助されるまでに長い時間がかかるため観終わった後は、猛烈な疲労感に襲われます。

本作と「タイタニック」を比較してしまいます。私の年代は、本作の印象が強いため「タイタニック」では興行収入ほどの感動が得られなかったと思います。

そして、本作は、ハリウッド映画界復活をかけた「タワーリングインフェルノ」「大空港」「大地震」、多数の大スターが共演するパニック巨編の流れでした。

現在なおハリウッドは低迷し「シルビーウォー」や「エクスペンダブルズ」などで大スター共演してますが回復には至りませんでした。日本も同様ですが、売れないものは作らないという消極的策のせいではないでしょうか?それともアイデアが飽和状態なのでしょうか?皆さんはどうお考えでしょうか。では、また。

【作品情報】

『ポセイドン・アドベンチャー』1972年のアメリカ合衆国のパニック映画。1969年に出版されたポール・ギャリコ氏の同名小説をもとに、ロナルド・ニーム監督、アーウィン・アレン製作、5人のオスカー受賞者ジーン・ハックマン、アーネスト・ボーグナイン、ジャック・アルバートソン、シェリー・ウィンタース、レッド・バトンズを含む特定の主役を設けていない出演者。
架空の豪華客船「ポセイドン号」は、スクラップになる前にニューヨークからアテネに向けて最後の航海に出発する。大晦日の夜、ポセイドン号は津波によって転覆し、乗客や乗組員が船内に閉じ込められてしまう。様々な困難を迎える中、牧師が生存者のグループを安全に導こうとする姿が描かれる。

この作品は、『大空港』(1970年)、『大地震』(1974年)、『タワーリング・インフェルノ』(1974年)など、1970年代前半から中盤にかけてのオールスター共演パニック映画の流れを汲むものである。本作は1972年12月に公開され、全世界で1億2,500万ドル以上を稼ぎ出し、1973年の最高興行収入を記録した。また、アカデミー賞2部門、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞、全米音響効果監督組合のゴールデン・リール賞を受賞した。後年、同じくギャリコの小説を原作とした続編『ポセイドン・アドベンチャー2』が1979年に公開された。

【あらすじ】

81,000トンの豪華客船「ポセイドン号」は1,400名の乗客を乗せ12月にニューヨークを出港し、ギリシャのアテネを目指して航海に出た。だがこの豪華客船のハリソン船長(レスリー・ニールセン)は、この船の重心が高くバラスト(底荷)を十分に注入していないので、大波による転覆を恐れていた。そのためスピードを上げずに船を進め、微速前進状態でバラスト注入を開始する。しかし船主代理のライナーコスはそれを認めず、予定を3日も遅れていると船長を叱責し、スピードを上げることを要求した。ポセイドン号は現地で解体が予定されている老朽船であり、作業員も確保しているため、到着日の遅れは会社にとって経済的負担が大きいからであった。船長はやむなく全速でポセイドン号を進ませることとなる。

ところがクレタ島の南西130マイルの沖合で海底地震が起こったとの情報がはいる。奇しくもその日は大晦日であり、その夜に大食堂ホールでパーティーが開かれていた。

新年を迎えたその直後、地震の影響で起きた大津波がポセイドン号に左舷から迫る。見張りからの一報を受けた船長はモールス係のスパークスにメーデーの送信を命ずる。間もなく、津波は32メートルの高さでポセイドン号を襲い、船はあっと言う間に転覆した。それまでの上部が足元に、足下が頭の上部へとひっくり返ることになる。ホールで新年を祝う「オールド・ラング・サイン」を斉唱していた船客らは、サイレン音を聞き危機を知るが、なすすべもなく投げ出される者、落下し壁に叩きつけられる者、落ちてきたテーブルや物品の下敷きになる者などが続出し、まさに阿鼻叫喚の場となった。

転覆し上下が180度回転した大食堂ホールには、転覆直後にはまだ相当数の生存者がいた。客船のパーサーは「救援隊が来るまでここで待機する」と訴える。しかし独身で雑貨商を営むジェームズ・マーティン(レッド・バトンズ)が「船底へ行けば救助隊に近づける」と提案。破天荒な説教でも知られたフランク・スコット牧師(ジーン・ハックマン)がそれを聞き同意。生存者たちに上へ行くことを訴えた。彼は留まっていれば海面下にあるこのホールはやがて浸水して皆死ぬので、上に上がり「船底」(この場合は船の最下部でなく、船の最上部となる)の竜骨付近に行き、そこで救援隊を待とうという意見を主張した。ホールの上には洗濯室があり、そこにボーイのエイカーズ(ロディ・マクドウォール)がいた。

上る手段としてホールに備え付けられていた大きなクリスマスツリーをはしご代わりにたてかけた。最初にロビン・シェルビー少年(エリック・シーア)が上り、続いて姉のスーザン・シェルビー(パメラ・スー・マーティン)、リンダ・ロゴ(ステラ・スティーヴンス)、リンダの夫でニューヨーク市警察の刑事マイク(アーネスト・ボーグナイン)、イスラエルに住む初孫の顔を見るのが楽しみだと語っていたマニー・ローゼン(ジャック・アルバートソン)、妻のベル・ローゼン(シェリー・ウィンタース)、ジェームズ・マーティンとマーティンに声をかけられた兄や仲間のバンドメンバーを全て失った歌手ノニー・パリー(キャロル・リンレイ)の順でそれぞれ上っていった。

さらにスコット牧師は広間に海水がなだれ込む前に上に行かねばならないと訴える。しかしパーサーは頑として聞かず、「牧師は船のことは何も知らない。ついて行くな」と乗客に命令する。スコット牧師はジョン牧師(アーサー・オコンネル)にも一緒に行くよう説得するが、ジョン牧師は「この人たちを置いてはいけない」とその場にとどまる。

最後にスコット牧師自身が上に上り、残りの生存者へ「海水はいつかはなだれ込んでくる。ここにいれば確実に死ぬんだぞ」と説得をしたが、「我々はパーサーを信じる」と人々は耳を貸さなかった。あきらめて一行が前へ進みかけたとき、船の中で爆発がおき、壁の窓ガラスやステンドグラスが割れホールに水がなだれこんできた。人々はパニックに陥りツリーに殺到、あまりにも多数の人間が一度にしがみついたためにツリーは倒れてしまう。泣き叫ぶ人々の声を聞きながらもスコット牧師にはどうすることもできなかった。

スコットに付いてきた8人と、もともと上にいたボーイのエイカーズ、スコット牧師の合わせて10人で船尾の機関室を目指すことになる。上下さかさまとなった船を上へと登る、生きるための行動が開始された。

【キャスト】

フランク・スコット

演-ジーン・ハックマン

格闘家、スポーツ選手と異色の経歴を持つ牧師。かなりの現実主義者で「神は一人ひとりの面倒を見ている暇はない。人間は自ら努力して苦しみを解決しなければならない」「祈りだけでは問題は解決しない。人は行動しなければならない」という独自の思想を持つ。「神は弱きものは救わない」と遠回しに弁舌していることからアメリカ国内の教会を追われ、アフリカの新興国の教会に向かう為ポセイドン号で移動していた。

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