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『アルプスの少女ハイジ』 【1974年アニメ】【食べ物:ハイジ飯/羊のチーズとパン、干し肉】

本家本元

【感想】2024年8月30日

作品の中で印象に残る食べ物は、羊のチーズとパンです。このアニメは、若き日の高畑勲氏が監督、キャラクターデザイン宮崎駿氏。ジブリ作品の元祖と言ってもいいと思います。
何気ないシーンでしたが、ハイジはおじいさんがようやく打ち解けて、一緒に作った羊のチーズを火で溶かしてパンの上にトローリと乗せて、食べるシーンがとても美味しそうだと思いました。この時、豊かさとは、お金ではなく、優しさに包まれることだと、この作品で教わりました
では、また。

【作品情報】

『アルプスの少女ハイジ』、ズイヨー映像制作のテレビアニメ。ヨハンナ・シュピリの小説原作。
1974年1月6日から12月29日まで、フジテレビ系列で全52話が放送「カルピスまんが劇場」の第6作目。

概 要

原作はスイスの作家ヨハンナ・スピリの同名小説。プロデューサーの高橋茂人氏が少年期より愛読し、スイスやドイツの風景と日常生活を丹念なアニメーションにより児童文学調に表現した。

【あらすじ】

1歳で両親を亡くし、5歳になるまで母方の叔母のデーテに育てられたハイジは、デーテの仕事の都合で、アルム(高原の放牧地)の山小屋にひとりで住んでいる、父方の祖父であるおじいさん(アルムおんじ)に預けられることになる。ヤギ飼いの少年ペーター、ペーターのおばあさんなどの人々、子ヤギのユキちゃん、おじいさんが飼っている犬のヨーゼフやヤギのシロ・クマ、樅の木を初めとした、大自然に生きる動植物達。厳しくも優しく、懐の深さを感じさせるアルプスの大自然。何より、共に暮らすおじいさんを通じ、ハイジは様々なことを知り、学び、健やかに育っていく。

だが、ハイジが8歳になったある春の日、デーテが再び山を訪れ、ハイジをフランクフルトの貿易商・ゼーゼマン家に連れていくと言う。デーテに騙されフランクフルトへ向かってしまったハイジ。ペーターやペーターのおばあさんは悲痛な声をあげるが、おじいさんにはどうすることも出来なかった。

フランクフルトでハイジを待っていたのは、足が不自由で体の弱い少女・クララとゼーゼマン家の人々であった。執事のロッテンマイヤーはハイジを愛称でなく本名のアーデルハイドと呼び、厳しい躾や勉強を強制、アルムの話題を禁止する。クララやゼーゼマン(クララの父)、おばあさま(クララの祖母)、クララの主治医、使用人のセバスチャンなど、心の支えはあったものの、ハイジはなかなかフランクフルトでの生活に馴染むことができないが、あまりアルムのことを口にするとクララが心配するため、アルムへの切ない思いを無理に押し殺すようになる。

やがてハイジは、アルムの故郷を思うあまりにホームシック(強い帰宅願望)にかかり、それによる夢遊病の状態となってしまう。ハイジを診断したクララの主治医は、ただちにハイジをアルムへ帰す様に指示する。こうして、ハイジは夢にまで見たアルムの山へ帰れることになった。

アルムの生活ですっかり元気になったハイジのもとへ、クララからの手紙が届く。ハイジが是非来てほしいと願っていたアルムへ、クララが行きたいと言う内容であった。クララは静養を目的として滞在することになったが、おじいさんとハイジに促され歩く練習を始める。

【主要人物】

ハイジ(Heidi)声 - 杉山佳寿子

5歳→8歳。父はトビアス、母はアーデルハイト。本名(洗礼名)は母と同じアーデルハイト(Adelheid)。ハイジは末尾の -heid から来た愛称。
明るく利発で機転が利くが、正しいと思ったらきかない性質は祖父のアルムおんじ譲り。また、他人の喜びや悲しみ、辛さを共感出来る、心優しい子。ペーターの母・ブリギッテによると、ハイジの容姿は「お母さんのアーデルハイドみたいでキレイだけど、目が黒くて、髪が縮れてるところなんか、お父さんのトビアスやアルムおんじにそっくり」と言う。冬場やフランクフルト滞在時を除き、普段は裸足で過ごしている。
スイスのグラウビュンデン州マイエンフェルトの近くのデルフリ村(架空)で生まれる。1歳で両親と死別し、母方の叔母デーテに引き取られた。5歳のとき、デーテの就職のため、デルフリ村に程近いアルムの山小屋に住む父方の祖父アルムおんじに預けられる。8歳のとき、デーテに騙され無理やりフランクフルトのゼーゼマン家へ連れていかれ、クララと友人になる。しかし元々アルムの山を離れるつもりがなかったことに加え、厳しい躾が原因でホームシックからの夢遊病を発症し、療養のためアルムの山へ帰された。

アルムおんじ 声 - 宮内幸平

ハイジの父方の祖父でトビアスの実父、元傭兵。「アルム」は高原の放牧地、「おんじ」はおじさんを意味し、すなわち「アルムおんじ」とは「高原放牧地のおじさん」と言うあだ名であり、本名は作中では一貫して言及されていない。原作では“Alm-Öhi(Alpöhi)”。デーテが「おじさん」と呼んでいるのは、姉の義父のため。
真っ白な髪と髭を蓄え背筋の伸びた体格の良い老爺。パイプ煙草やワインを時折嗜む。無愛想で気難しい性格で、ことあるごとに「あの、おんじが?」とデルフリ村の人々に囁かれる変わり者。村での評判を自身も理解しており、他人との交流を好まず、デルフリ村から程近いアルムの山小屋で一人で暮らし、ヤギ飼いのペーター以外は周りに人を寄せ付けないようにしていた。洞察力に優れ、クララが立ち上がって自力で歩ける可能性があると最初に見抜いた。教養もあり、ハイジは「おじいさんは間違ったことを言わない」と絶対の信頼を置き懐いている。
普段は山小屋附近で牧草を刈り、ヤギの乳でチーズを作り、薪を割り、商売用の木工細工の原料となる樫などを山から伐採して、食器を始め、あらゆる生活用品に加工している。そしてそれらを背負子に詰め、数日に1回の割合でデルフリ村へ降り、食料品や生活に必要な品物を購入・物々交換をするだけの日々であった。
「過去を忘れたがっている」ため謎が多く、作中で過去について語られる場面は少ないが、第1話では村人(バルベル)が「人を殺したこともあるらしい(からハイジを預けるのは止めた方がいい)」とデーテに言っている。かつてはデルフリ村で暮らしていたが、村を離れ山小屋で暮らし始めた理由は作中で触れられることはなかった。一方でデルフリ村在住当時の隣人だった牧師が「神や人々と仲直りしましょう」と、人間関係でトラブルがあったことを窺わせる台詞も残している。
70歳のときハイジと暮らし始める。初対面時からハイジの利発さを見抜いて可愛がり、孫娘との交流を通じて次第に優しい性格を取り戻していく。しかし当初はハイジがデルフリ村の人々と付き合うことを制限しており、デルフリ村の外れにあるペーターの家にさえ、最初はハイジを行かせたくなかったようである。就学年齢の8歳になったハイジを冬の間だけでも学校へ通わせるよう、かつて隣人であった牧師に説得されても、頑なに拒否した。そのため、ハイジがフランクフルトへ行った際は、ハイジがデーテに騙されたと知らず、ハイジに行く気がないと確信していたこともあり酷く落ち込んだ。しかし、フランクフルトから戻ったハイジがグリム童話を読むのを見て、ハイジが学校に通えるよう冬の間はデルフリ村で過ごす決意をする。村はずれの廃墟となっていた古い教会を改築して住居とし、徐々に村人との接触を持つようになった。
原作によると、グラウビュンデン州ドムレシュクの裕福な農家の生まれだが、傲慢で気性が荒い性格で素行が悪く、酒や賭博などの放蕩を尽くしたために全財産と家族を失い、ナポリで傭兵となってヨーロッパ中の戦場を渡り歩いた。傭兵時代に些細な喧嘩から人を殴り殺した、と噂されている。その後は軍を脱走し放浪の末グラウビュンデン州の女性と結婚、息子トビアスを授かるが、間もなく妻を失い、息子と共にデルフリ村で大工として暮らすようになる。やがて息子が村娘と結婚し孫ハイジが生まれるが、仕事中の事故で息子を失い、そのショックから息子の嫁も亡くす。これらの相次ぐ不幸はアルムおんじの不信心が原因だとデルフリ村の人々から責められ、村人との付き合いを断つべくデルフリ村に程近いアルムの山小屋へ移り住んだとされる。トビアス夫妻(ハイジの両親)の墓もデルフリ村にあるという。



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