実は多い中立的な声｜第14回宗教マイノリティ理解増進勉強会【下】

キリスト教牧師、新宗教団体元役員、家庭連合信徒ら20人が参加して行われた「第14回宗教マイノリティ理解増進勉強会」で、内側から見た世界と実際の世界の違いなどについて意見交換がありました。

意見交換

宗教と家族の関係性

Ａ男くん（家庭連合、大学生）
宗教学の授業の中で、毎回リアクションペーパーを学生たちから取っていて、その結果が一覧で共有されるんですけど、「信教の自由」とか、「宗教2世の問題」とか、そういうのに対する反応も見れたりするんですけど、意外と中立的な意見が多いんですよね。

例えば今の状況に対して「一方的すぎるんじゃないか」と見てくれています。そういう意味では希望は持てるのかなと思いつつ、やはり引っかかるのが、「家族との関係性」とかです。

例えば「家族の関係、親子の関係よりも宗教の方が大きくなってしまう」とか、「社会との関係性よりもその宗教の方が上になってしまう」ということに対しての抵抗感みたいなのは強くて、その意見の中にも反映されていた、というのは結構ありました。

ある意味日本人特有なところもあると思うんですけど。その辺がテーマにはなってくるのかなというのは、生の声を見ながら思いました。

とも（主催者）
なるほど、そうですよね。

さっきもどなたか言ってたけど、宗教心をどう日本で高めるか、「宗教のすすめ」とか「信教のすすめ」「宗教の良さ、宗教の大切さが、宗教者も含めて他の人にも広がっていけば良いな」という思いで、この「宗教マイノリティ理解増進を目指す会」をしています。

宗教者に対する理解が日本で進んでいけば、日本の国自体が良くなっていく、そういう思いでしている感じですね。

内側から見る世界と実際の世界の違い

Ａ男くん
家庭連合だったり、宗教自体が反省すべき点だったりとか、改善すべき点もあるなと思ったりはするんですけど、最近の肌感覚で感じてるのは、意外と、しっかり見てくれてる人の方が多いんじゃないかなっていうのが、正直な感覚としてはあります。

リアクションペーパーとかも結構そういう感じはあります。ある意味、関心がないっていうぐらいな人が多い感じはしてはいます。

家庭連合の内側から見る世の中というと、どうしてもマスコミが報じる情報だったりとか、そっちが大きく見えるんですけど、意外とそうでもないんだなというのは、僕もちょっと感じてはいます。

むしろ「偏っていない」が多分多数派。割合で言ったら9割以上ぐらい。そうした人たちの意見をどうやってより大きくしていくか、見える形にしていくかが、ある意味必要だなと思ってはいます。

それが今伝わりにくい構造になっているから、一部のかなり思想を持って反対してる人たちの声が大きくなって、それが世の中全体みたいな感じに思えてしまうんですけど、なんか実はそうではないと。

そこが転換すれば一気に構造も変わると、今ちょっと思ってます。

とも
私は、ずっとそう思っていたので。８割、９割は基本的に関心がない。関心がないから、それほど左右もされてないわけですよ。

90％は基本的に関心はない。その90％にどう伝わっていくのかが実はものすごく重要なことだと思っています。

Ｄ男さん（新宗教団体元役員）
その件についてね、感想はあるんですけど。家庭連合の人たちともう３年間付き合っていますので、いろんな人からLineで映像が送られてくるんです。「また送られてきたよ」みたいに。

でも今考えてみると、そんなに間違ったこと言ってないんですよ。家庭連合の方々から送られてくる映像を見るとね。

今回、ある県知事がスキャンダルというか、パワハラがあったということで、でも選挙したら圧勝しましたよね。SNSの情報と大手メディアの報道で価値観が別れて、ひっくり返ったのを見ると、オセロじゃないけど、家庭連合が「しろ、しろ、しろ、しろ、しろ」と全部なっちゃう。それは多分来るんじゃないかな。

Ａ男くん
リアクションペーパーで印象的なのが、うちの大学は、結構「カルト対策」みたいなことしていて、入学した人は必ず見るガイダンス映像みたいのがあって、その中に名指しはしないですけど、ピンポイントの内容で「注意してください」という内容があったりします。

（安倍元首相銃撃）事件直後には、大々的にビラが撒かれてたりとかはしてはいて、これが多数派なのかなと見えてたりもしたんですけど。

授業の中であったのが、「カルト対策に意味がありますか」という感じのテーマがあって、それに対する回答が、「忘れてた」とか、「素通りしてた」とか、「知ってはいたけど、そんなに関心なかった」とか、「別にそういうのあっても入る人は入るでしょ」みたいな、そういう感じの回答が、ほぼほぼ占めてはいました。

そういうのを見ても意外と見えてる世界と、実際の世の中の人たちというか、思ってるいものと全然違うんだろうなというのは思ってはいます。

歪められてるところが大きいかなっと個人的には思っています。

Ｄ男さん
提案があるんですけど。私は、例えば宗教という言葉自体が発展性がないと思っているんです。だから一度、「宗教」という言葉は一切禁止にして、どうやってコミュニケーションを取るかをしてみる。そうすると「お天道様」とか「思いやり」とか「愛」とか、本来の日本語の用語を使って、どのぐらいまで精神世界を語られるかという実験してみるといいじゃないかと思います。

とも
いい提案ですね。次回はそんな感じでしてみると、いいかもしれないですね。今日は皆さん、ありがとうございました。