絵本のすすめ
子供が小さかった頃、近所に大きな本屋さんがなかったので、童話館のブッククラブに入っていました。
良い絵本に触れて欲しいと言うせめてもの親心からだったのですが、この出会いが思いの外良かったのです。
何故なら自分で選ぶ本には好みの偏りが出てきてしまうのですが、ブッククラブから送られてくる本は、子供の成長に合わせて本当に良質な絵本が送られてくるのです。
子供の頃に読んだ懐かしい物もあったけれど、殆どが初めて触れるもので、子供そっちのけで親の私の方が夢中になってしまいました。
その中で子供も私もほっこりと何とも言えなく温かい幸せな気持ちになった絵本の一つが「ちっちゃなほわほわかぞく」です。
ほわほわ家族はぬくぬくの木に住んでいて、ほわほわ父さんはほわほわ世間へ出かけて行きます。ほわほわ子供はざわざわ森へ遊びに行って、暗くなる頃ほわほわ母さんのいる家に帰ると言うお話なのですが、可愛らしい絵と優しい言葉で語られるこの世界感がたまらないんですよね。
作 マーガレット・ワイズ・ブラウン
絵 ガース・ウィリアムズ
訳 谷川俊太郎
と言う豪華キャスト。
マーガレット・ワイズ・ブラウンさんの作品はどれも優しさに溢れていてかつ世界の本質に触れるような哲学的な作品のような気がします。
この絵本の中でもほわほわの子供はざわざわ森で命の大切さや思いやりを学んでいるんですよね。
そして、この本の良さをより一層際立たせているのが、谷川俊太郎さんの日本語訳なのだと思います。
絵本の最後の子守唄はいつも自己流の歌にして歌って聴かせていました。
きっと家の子はそう言う歌だと思っていることでしょう。
懐かしい思い出です。
素敵な絵本との出会いを与えてくれた童話館さんに感謝です。
大人になってから出会った絵本ですが、絵本って決して子供だけのものじゃないなあと思います。
私も自分が親に読み聞かせをしてもらった記憶はないのですが、自分で自分に読み聞かせしているだけでも、何故か幼い頃の心が満たされていくような気さえします。
心に優しさと温かさを呼び起こしてくれるそんな絵本です。