見出し画像

moment作品紹介其の30 室蘭 ハヤシシゲミツ A4判36頁

輪西駅から程近い商店街を歩く。
撮影していると一人の老人に声をかけられた。
しばらくの立ち話。この街がたどった栄枯盛衰
を短時間ながら聞かせていただく事ができた。
別れ際、高台を指差し撮影にお勧めである
事を教えてくれた。勧められたとおり私は高台
に向かった。眼下には室蘭の主幹産業である
製鉄所の工場群、白鳥大橋が望めた。
対照的に私の背面には風光明媚なイタンキ浜が広がっていた。
午後からは室蘭駅から中央商店街、港を経由して
母恋まで歩いた。街中でも人は少なかったが
初めて訪れた室蘭の街はどこか懐かしく
まるで遠い日の故郷にたどりついたような
不思議な体験となった。撮影を終えて宿泊地から
程近い老舗焼き鳥店で名物の室蘭焼き鳥をいただく。
ほろ酔いで後にした店の周辺で見た景色は事情があって
一人暮らしをしていた高校時代に過ごした街の記憶と
オーバーラップするのであった。

2024年7月12日 室蘭にて


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?