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稲垣潤一とノックダウン

先日の16日水曜日に『稲垣潤一コンサート2024』へ行ってきた。場所は神戸文化ホールの大ホール。席は2階の最前列であった。

2階の最前列であるから私の前には人はいない。私の視界にはステージと1階のフロアが広がっている。

これがマズかった…座席表を見たときから嫌な予感はしていた。席に着く時は絶望。私は高所恐怖症なのだ。座った瞬間から私は固まってしまった。同じ最前列に座っている人々は身を乗り出して1階のフロアを見下ろしたりしているのだが、私にできる芸当ではない。私はカバンを胸に抱いてただ座っているだけだった。

開演直前に場内が暗くなり、ようやく私も落ち着いてきた。しかし、演奏が始まった瞬間、今度はライトがまともに私の目を直撃してきた。怖いやら眩しいやらで、果たして2時間余り持つのか不安だった。気分が悪くなり途中で退場しようにも身動きできないという思いが募ってきたのだ。

アンコールが終わり、皆は三々五々退場していくのだが、私は直ぐに立ち上がれない。私の左側の人たちが全員立ち上がって移動を始めてからようやく立ち上がれた。しかし、右側の1階のフロアの方は見られないし、見る勇気もない。2時間以上全身の力が入っていたのだろう。足腰が定まらない。ガクガクである。出口に続く急階段を座席の背もたれに手を添えながら上がっていった。

情けなかった。

1階のコアなファンの人たちは、終始立ち上がって青い扇子やタオルを振り回し楽しんでいた。それに比べ私はフリーズ状態。セットリストの掲示もなくCDやらグッズを買う気も失せ、這々の体で退散するしかなかった。

古希を迎えた稲垣潤一だが、その声は相変わらずであった。

コンサートの感想がたった1行とは…トホホ…

この2日ほど、心身の回復に努め、ようやくコンサートのセットリストを確認する気になってネットを検索したら、アンコールの1曲目が『思い出のビーチクラブ』になっていた。うーん『ドラマティック・レイン』だった気もするのだが、私の幻聴だったのだろうか…

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