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菩薩生を生きたい
昨夜はなぜだか炊き込みご飯が食べたくなったのだが、冷蔵した白飯がけっこうな量残っていたので、白飯に後から具を混ぜ込んで味をつけるという、荒技に出た。
まぁ望んだものとは違ったが、それなりのものはできたので食卓に出したら、明らかに連れ合いの反応が悪いのだ。
どうも口に合わなかったらしい。
おのれ生意気な。
何となく不貞腐れていたら、こちらの不穏な気持ちが連れ合いに伝染したのか、今度は食卓に出した食器の数が無駄に多いとダメ出しをし始めた。
いつもより品数を余計に作ったのと、それぞれがかさばったために、ちょっと大きめなの器をセレクトしていたのだが、こんなにたくさん水切り棚に並ばないだろうというのだ。
ごもっともではあるが、こちらはますます気分が悪い。
冷蔵庫で余ってしまいそうなものを、それなりのサービス精神で一品二品と増やしたというのに、何という理不尽。
というわけで、事態は悪化。
お互い口もきかずに寝てしまうこととなった。
うちにはわたしと連合いの2人しかいないのだから、喧嘩をしていると逃げ場がない。
しかし、すっかり腹が立ってしまって、こうなったらもう仕方ない。
これはもうお馴染みの展開で、あとは状況が悪化しないように、ただ気持ちが落ち着くのを待つしかないのである。
若い頃は一週間くらい冷戦状態というようなこともあったが、最近はせいぜい一日である。
これは単純に気力、体力の衰えによるもので、別に夫婦が成長したわけではない。
本当は一日でもメンタルによろしくないので、ベタ凪の海のような日常を送りたいのだが、何だろうな、色々業は深い。
昨夜再び冷蔵された炊き込みご飯もどきは、今朝わたしが弁当に詰め、かつ、更に残ったものをひとりで平らげた結果、連れ合いの意識からは消えたようだ。
水切りに積み上がった食器も、とっとと食器棚に収納した。
こういう、何となく日常に回帰する技だけが、年とともに冴えてくる。
ベタなぎの日常は、多分最後まで訪れない。