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新学期よもやま(その1)
知らない向きもあるだろうが、職員室も席替えがある。
こちらの記事を読んで久しぶりに思い出した。
だいたい職員室の机というのは、学年団という、1年なら1年の担任や副担任といったメンバーで固まって座っている。
大きな学校だと担任外の人も結構いて、それはそれでひと固まりを形成している。
毎年人事異動で先生は入れ替わるし、学年団のメンバーも変わるから、だいたい4月1日、新年度の顔合わせにあわせて席替えするのである。
あと非常勤講師とか養護教諭とか図書館司書なんかも固まっているが、この人たちの位置は常に固定。
職業高校などでは、専門科の先生で固まることもあるというが、その手の学校に勤めたことがないから、そこはよくわからない。
教頭の席は、企業における部課長のように全体を見渡せる位置にあり、校長の机はなくて、椅子だけ教頭の横にあった。
ここまではだいたいどこの学校も一緒なのだが、引っ越しの方法には、それぞれの学校に独自のやり方がある。
初任校では、机ごとまるまる引っ越す方式で、全員がずるずる事務机をひきづりながら、新しい定位置を目指した。
しかも、机を動かせば、普段目にしない埃や汚れも白日の元に晒されるので、それを掃除しながらの作業である。
結構なカオスになるのだが、まぁ教員だから、仕切りたがる人は必ずいて、毎年小一時間くらいで何とか新しい位置に着くことができた。
一方異動した学校では、荷物を入れたままの引き出しだけ持って動く方式で、これはこれで合理的ではあったが、前提として、どの机も全て同一メーカー、同一品番のものでなくてはならず、いわゆる事務机はいつまで経っても洒落たものに更新されなかった。
特に机に資料を積み上げるタイプの人は、引き出し以外にも大量の荷物を小分けにして運ばなければならず、自業自得とはいえ、だいぶ苦労していたようだ。
初任校はどの教員もわりと職員室にいるという文化があって、学年ごと情報交換などもしやすくて、和気藹々とした雰囲気があった。
他方異動先は、職員室が狭かったこともあって準備室文化が強く、先生はそれぞれ教科の準備室にいることが多かった。
ところで教員も人なので、どちらの場合も人間関係的にあまり居心地が良くないという人というのは一定数発生する。
わたしは美術という一人教科なので、準備室にこもってしまえば、お気楽なものであったが、中には職員室にも、自分の教科室にも居場所がなくて、進路指導室とか、司書室とか、果ては全然関係ない他教科の部屋に入り浸る教員も結構いた。
他の教員も心得たもので、英語の先生を探すのに、最初から体育教官室に内線をかけてきたりしていた。
わたしは一人で寂しくなると、よく社会科準備室で駄弁っていたが、いらん雑学を話させると、社会科の先生が一番面白かった。
ちなみに国語、英語の先生は常識的だが、二教科間であまり相入れない感じ、数学は非常に面白い人と、つまらん人の両極、体育は世間のイメージ通りというのが、わたしの偏見。