
思い出を共有するという幸せ
先日家族で北海道に出かけた。
毎年この時期旅行に行っているのだが、昨年からは私達家族3人に加え、義両親も参加してくれている。
2年前に病気をした時、思い出と時間がいかに貴重なものかということに気づいた。
今まで買った沢山の洋服や鞄、本など一切天国には持っていけない。
そんな当たり前のことに気づかされてから、時間を無駄にするような人間関係を整理し、もっと自分の大切な人たちと幸せな時間を共有して思い出を残していきたいと思うようになった。
義両親は一言でいえばとても奥ゆかしい人たちだ。
私達から誘わないと一緒に旅行に行く事もない。
娘も大きくなってきて、私達も年をとる。
みんなで過ごせる時間はあとどの位あるだろうかと日々考えている。
今年の行先、北海道は多数決によって決まり、各自の希望を聞いて予定を組んだ。
その中の1つに夫の提案でカヌー体験が入ることになった。
私達3人は前に1度カヌー体験をしたことがある。
その時はなかなか進まず、湖上で四苦八苦した。
だから正直期待していなかった。
落ちて濡れなきゃいいなくらいにしか思っていなかった。
今回カヌー体験をしたのは千歳空港にほど近い苫小牧市を流れる美美川だ。
事前に説明を聞きながら各自パドリングの練習をしたのだが、 お世話になったGateway Toursの方の説明は緊張感がありながらも面白く、こちらもやる気が湧いてきた。
私達は5人で参加しているので、2艘に分かれるのだが、アドバイスを基に、より安全な2艘を繋げるタンデムカヌーという方法を選んだ。
前方に私と義理母、真ん中に娘、そして後方の舵取りが必要な位置には男性陣に座ってもらった。
美美川は水深が浅めの川で時々パドルが底を打つこともあり、流れも穏やかだった。
2艘が繋がっているのでバランスがとりやすく、説明通りにパドルを動かすとカヌーは思いのほかスムーズに進んだ。
各自片側だけ漕げばよいという利点もあって、景色を楽しむ余裕すらあった。
移り行く景色と美しい青空、そして時々頭上を行く飛行機を眺めながら、笑い声に包まれてカヌーは進む。

こんなに幸せなことがあるだろうか。
そう噛み締めながらパドルを動かした。
途中で川岸にボートを付けて、休憩がてらインストラクターの方が美美川について説明してくれた。
美美川は千歳空港の中までつながっているそうで、その昔日本海側に渡るためにアイヌの人々がこの川を木製の船で行き来したのだそうだ。
自分たちだけで回っていれば知り得なかった歴史や、見れなかった風景が見れる。
最初は敬遠していたけれど、アクティビティが良いものだと気づいた。
2.5キロ、約1時間半のアクティビティは最後、私と娘のパドルを漕ぐ【1・2・3】の掛け声とともに終わりを迎えた。
美瑛に向かう車内で、皆口々に言った。
「カヌー体験が思いのほか良かった」と。
翌日、ツアー会社から沢山の写真が送られてきた。
思い出は目に焼き付けておきたい派の私だったけれど、今は写真に残しておくのも良いかもと思っている。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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