2nd step #9 ブリティッシュアクセントのハードル
オンライン英会話を始めて1年3カ月。
先日新しい先生の中に、イギリスで育ったという先生を見つけた。
既にレッスンを受講した人たちのレビューを見ると、生まれは別の国だけれど、育ちがイギリスの先生で、もう殆どネイティブスピーカーなのだそうだ。
お気に入りの先生たちが、かなりの人数お休みしていた時期で、新しく受けられそうな先生を丁度探していた時だった。
紹介動画を見てみると、確かにTOEICテストの様なブリティッシュアクセントだった。
私はTOEICのリスニングの中で、ブリティッシュアクセントを聞き取るのが一番苦手だ。
この先生の綺麗なブリティッシュアクセントは、今の私では聞き取るのが難しそうだなと思った。
受講はもう少し先かなと思ったのだけれど、どうにも休みの先生が多く、同じ先生のレッスンを受ける率が上がってきてしまった。
色んなアクセントに慣れるためにも、なるべく毎日先生は変えたい。
でもレベルの高そうなレッスンについていけるだろうかと不安になって、なかなか直ぐに予約ボタンが押せない。
しばらくの間、頭の中で考えが堂々巡りしていた。
所詮TOEIC620点レベルの身で、ネイティブスピーカーとのレッスンはまだ早いだろうという気持ちが、心の奥にずっとあったからだ。
でも暫く考えていると、ふとレッスンを始めたばかりの頃を思い出した。
フィリピンの先生達の話す英語から、単語をかいつまんで理解し、必死に会話に繋げていたあの頃、今よりもっとしゃべれなかったけれど、余計な事を考えずに、兎に角当たって砕けていた。
今の私のレベルでネイティブの先生のレッスンを受ける事は、1年3カ月前の私がやっていたことと同じなのではないか。
一度受けてみなければ分からない事もあるだろう。
そう思い、思い切って予約ボタンを押した。
先生はとても穏やかな人だった。
予想通りリスニングには苦労する場面があり、
「もう一度言って頂けますか?」
とレッスン中4,5回言った。
でも先生は私のレベルに合わせて、難しい表現と簡単な単語の両方で説明をしてくれて、私の拙い英語を、
「ちゃんと話せていますよ」
と言ってくれた。
お世辞だと分かっていても嬉しかった。
1年3カ月、続けてきて良かったと思った。
レッスンの最後に何故か私は、
「とても緊張しました」
と言ってしまい、終わった後で、
「あんなこと、言わなきゃよかった」
と後悔した。
昔からイギリス映画が好きで、イギリスに憧れていた。
本場ブリティッシュアクセントのスピーカーと会話するなんて夢のようだった。
それはそれは緊張したので、終わりが見えて、つい口から出てしまったのだ。
その後、2回目に受けた時、
「今日は楽しめましたか?」
と最後に先生に聞かれてハッとした。
前回の事を気にしていたのかと思うと、申し訳なく思った。
しかしまたしても、
「大変価値ある機会でした」
と、だいぶかしこまった、変な回答をしてしまった。
相変わらず自分の英語に自信がないからレッスン前は緊張する。
でもレッスンが終わった後、自分が飛び越えたハードルを振り返って見ると、思ったほど高くなかったと気づいた。
受けるまで抱えていた不安は、もっとスムーズに会話出来るようになりたいという意欲に変わった。
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