2nd step #8 先生のオリジナル抜き打ちテスト
長かった今年のお盆休み。
レッスン間隔が空くと英語脳を取り戻すのに苦労するので、帰省中も時間がある時はレッスンを受けていた。
この日受けた先生はいつもと違う背景に気づいたようで、事情を説明すると、
「良い部屋ですね」
と言ってくれた。
先生には和室の押入れのデザインが新鮮だったようだ。
そんな挨拶も早々に、その日選んだ記事を音読し始めると、いつもはあまり止められないのに、この日はタイトルから訂正が入った。
私が発音した$(ダラーズ)の発音が違うらしい。
説明を聞き、何となく分かったような、そうでないような、5割ほどの理解で読み進めた結果、文中に3か所ある$の発音を全部間違えてしまった。
私の理解が十分でないことがバレてしまい、記事を読み終えると、先生は発音の違いについてさらに詳しく説明し始めた。
$(ダラー)の発音で訂正さられるという、予想外の出来事で私は混乱し、先生の説明が6,7割しか頭に入ってこない。
「これで全部理解できましたか?」
と聞かれ、ちょっと自信が無かったので
「はい、理解できた……トオモイマス」
と、少し自信なさそうに伝えた。
すると熱心な先生は、さらに色々な例文を作りながら説明を続けてくれた。
この手作りの例文を理解するのがなかなか難しかったのだが、先生の説明を一通り聞くと、
ということが理解できた。
「あー、わかりました!」
と先生に伝えたところ、今度は何と自作の問題を作って確認テストをしてくれると言う。
とても手厚いフォローに驚く。
しかし問題が出来上がるのを待つ間、漂う妙な静けさと緊張感。
先生も問題作りに苦戦しているようだ。
しばらくして先生のオリジナルテストが出来上がった。
問題は3問あって、それぞれ$が名詞か形容詞か考えて発音するというものだった。
1問、2問と順調に正解していく。
そして最後の問題にたどり着いた。
そこには、
と書かれていた。
見た瞬間、コートとブラジルという2つの単語が目に入った。
ただの例題なのに、私の頭の中は、
【ブラジルでもコートって買えるんだろうか】
という疑問でいっぱいになった。
結局、色々考えながら読み進めたら、
「ダラーz……」
と言ってしまった。
すると、
「ノォーノォーノォー・・・」
という先生の、今まで聞いたことの無いような、がっかり感満載のNoが静かに響き渡った。
先生の失望感が手に取るように分かり、自分の救いようの無さに笑ってしまった。
レッスンが終わり画面を切ってから、理解出来る迄ChatGPTを使って復習した。
時間にして30分。
もう絶対に間違えない自信がある。
先生は覚えていないと思うけれど、次にレッスンを受ける時は、敢えて$の沢山入った記事を選ぶつもりだ。
ダラーで失った信頼はダラーで取り戻したい!
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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