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カード実践 理科「ものの重さ」
はじめに
今週は、3年生の理科「ものの重さ」の単元を行った。この単元では、
体積が同じであれば、重さは変わらない
ということを実験から導き出していく。
日ごろから理科の実験をするときには、いつも実験結果は同じになるかという再現性について子供たちに大切さを伝えている。
今回は面白かった子供たちの思考について取り上げ紹介していきたいと思う。
予想を立てる
まず初めに、以下の手順で予想を立てるまで行った。
①粘土を丸めたものを提示し、粘土の重さを電子ばかりを使ってはかる
②粘土を細かくちぎる
③子供たちに重さが重くなったのか軽くなったのかそれとも同じなのか問う
すると、ちぎっても粘土の重さは変わらないと答えた児童がクラスの4分の3程いた。
そこで、この予想が正しいかどうかを検証するために粘土を配り、実験をしていくことにした。
実験結果と考察
各班で粘土をちぎったものとちぎっていないものの重さを電子ばかりで測り比べると、8グループ中4グループは重さが変化しなかった。
しかし残りの4グループは粘土をちぎると0.1グラム重さが減るという実験結果が出た。
すると、この実験結果に対して本当にそうなのかと再度同じ実験を繰り返していた。しかし4班ともまた0.1グラムちぎった粘土が軽くなってしまった。
ここからは粘土の重さが変わった。4つの班に着目して述べていく。
1、4班の実験に対する考察
この結果を受け入れられなかった1、4班は、他の班の結果を参照していた。すると、重さが変わらなかったという班が4つあることに気がついた。そこで結果は変わらなかった4つの班と結果が変わった4つの班を比較しはじめた。すると、使っている粘土に多少の色の違いがあることに気がついた。
結果が変わった4つの班は、粘土が新しかったのに対し結果が変わらなかった4つの班は、粘土が古く硬くなっていたのである。そこでこの班は、
粘土の油が手についてしまったため、0.1グラム、重さが減ってしまったのだろう
と考えた。その後、粘土が手につかないように
ストローに割り箸を入れ、そのストローを使って粘土をちぎり、再度重さを比べ出した。
すると、粘土の重さは何回やっても変わることがなかったため、体積が同じであれば粘土の重さは変わらないと結論付けることができた。
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2班の実験に対する考察
2班には、粘土を小さくちぎるの重さは変わると予想していた方が2人いた。そのため、ちぎると粘度の重さは変わると結論づけていた。
その後、以前の実験カードを引き出し、今回も素材によって実験結果が変わるのではないかと考え、追加実験を行い始めた。
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2班は、アルミニウムはくや紙、線香などを使って追加の実験を行った。すると、
小さく砕いたり粉々にしたりしても、元の重さと変わらない
という実験結果が導き出された。そこで、もしかしたら
粘土の実験が良くなかったのかもしれない
と考えた。さらに、1班同様、
粘度の油が手についてしまったことで、実験結果は変わったのかもしれない
と考え、粘土べらを使って粘土を刻み重さを測ると、重さの変化はなくなり、同じ体積であれば粘度の重さも変わらないと結論付けることができた。
3班の実験に対する考察
3班も2班と同様粘土を小さく切ると重さは変わると結論づけていた。さらにサランラップ、折り紙など追加の実験では、2班同様、
重さの変化がない
という実験結果を得ることができた。
それにより粘土の実験がおかしかったのではないかと考えだした。しかし、3班注目したのは、太陽とかげの位置の学習で学んだカードを基に、
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電子ばかりに物を置く場所によって重さの変動があるのではないか
と考え、位置によって結果は変わるのではないかとかんがえたのであった。そこで、
算数の数図ブロックを電子ばかりの中央や縁において、置く場所によって変動があるのかどうか
を検証していった。すると、電子ばかりの中央に数図ブロックを積み上げたものと、電子ばかりの縁のほうに数図ブロックを積み上げたものでは重さが0.1グラム違ってくることがわかった。
そのため、常に条件を揃えるために同じ位置にものを置かなければならいと粘土の実験を再度やり直した。
すると、この班も同様に
粘土の重さは変わらない
という結論を導き出すことができた。
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単元終了後に作り出されたカード
子供たちの多くは、この単元で、素材に着目して結果が変わるのか変わらないのかを考え実験をしていた。
そして、実験もいくつか行うことによって
実験方法が良くなかったのではないか
と考えることができ、正しい結果が出る実験方法を考え、正しい結果を得ることができた。それにより単元終了後には、以下のような概念を子供たちが導き出すことができた。
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まとめ
今回1年間言い続けた、再現性ということがしっかり子どもたちの中で定着し、意識することができていると感じた。
再現性を得るために同じ実験を何度も行う児童や他者参照をして、他の班との結果の整合性を確認する児童の姿がたくさん見られた。
今後も実験を行うときには再現性をしっかりと意識させて実験をしていきたいと思った単元となった。