『シー・オブ・ザ・デッド』
ブラジルの片隅、無数の灯が闇に浮かぶスルル・クラブ。ゾンビたちは、生と死の境界を超えてなお、この地に執着する。彼らの腐敗した肉体から放たれる瘴気が、クラブの中に広がり、パーティーを絶え間なく汚染してゆく。そのしぶとさは、まるで消え去ることのない悪夢のよう。
しかし、この映画は一筋縄ではいかない。予測不能な展開が観るの者の理性を揺さぶり、その結末は誰にも予測ができない迷宮の如し。監督はこの物語の行き先すら定めることなく、その場の感覚に従い迷走を続ける。作中で繰り広げられる狂気