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中国経済の実情を分かりやすく

中国経済はヤバイという話をよく聞くが、その点を分かりやすく説明したい。外部的な要因からくる経済問題と、内部的要因からくる経済問題の2つが、現在の中国にはある。

外部的な要因としては、半導体規制があげられる。中国の横暴な独裁政治への警戒から、米国を中心に半導体を規制する動きがでた。この規制が進むと中国の工場は、最新半導体を使用する新型の製品が作れなくなるのだ。分かりやすく、極端に言うと、頑張ってもガラケー並みの製品しか作れなくなるということを意味する。EV車だって作れなくなる。つまり、もう世界で売れるような製品は作れなくなるので、中国製造業の破綻を意味するのだ。
きっかけはオバマ大統領の時に、習がオバマにこう言った。
『アメリカと中国で2つに分けるに十分なほど、太平洋は広い』と。
会談でのこの言葉をきっかけにアメリカでの中国への警戒感は強まっていった。

そして、内部的要因としては不動産問題があげられる。中国では、多くの不動産会社が、経営危機に陥っている。不動産大手の「恒大グループ」や「碧桂園」などが相次いで経営危機となっている。中国のGDPの3割が不動産関連事業のため、不動産業界の経営危機は、GDPが、いきなり3割消える事さえ意味する。

そんな恐ろしい不動産関連の経営危機の中で、さらに中国経済の長期低迷を招きかねない大きなリスクが1800兆円を超える、地方政府の債務だ。なぜ地方政府が借金漬けになったかというと、これも不動産と関係あるのだが、順を追って説明しよう。経済を成長させるには公共事業が重要だ。だから、地方政府は、道路や橋を作りまくった。例え不要な道路や橋であっても、道路や橋を建てれば、一応、GDPは増える。道路や橋を作るためには、人員も材料も機械も必要だからだ。しかし、地方政府に無尽蔵に金があるわけではない。まして中国の地方政府は、中央政府から認可された債券発行以外、資金調達が認められていないから、地方政府は金を集める手段もない。そこで地方政府は、『隠れ蓑』を作ったわけです。地方政府が出資し、『地方融資平台(ちほうゆうしへいだい)』と呼ばれる特殊な投資会社をつくった。そして、この投資会社に金を集めさせたのだ。この投資会社が銀行などから金を借り、その金で道路や橋を作りまくった。この『地方融資平台』は地方政府がオーナーで実質的に保障しているから、金を貸す方も安心して金を貸しまくった。このような『地方融資平台』は中国全土で1万社以上あるという。

『地方融資平台』の説明図 NHKサイトより

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