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キッシンジャーの実像~反日?DS?親中?~

キッシンジャーが2023年11月29日に亡くなった。100歳だった。フルネーム:ヘンリー・アルフレッド・キッシンジャーの実像に迫りたい。

彼はユダヤ系ドイツ人としてドイツに生まれた。そしてヒトラーの登場により、15歳の時にアメリカに亡命。アメリカで昼間は工場で働きながら、夜間高校に通う苦労人だった。その後、軍に入隊。除隊後はハーバード大学に入学し、そこを超優秀な成績で卒業した。

ニクソン大統領の時に国家安全保障問題担当大統領補佐官になると外交権限を掌握し、怒涛の快進撃を始める。当時、米ソ冷戦中だったため、中ソ対立の中で、彼は中国に赴き、中国を味方につけた。そんな『敵の敵は味方』『利用できる国は、どこでも利用する』というロジックで
・米中国交正常化
・ベトナム戦争終結
を成し遂げた。米中国交正常化のためにパキスタンが利用できると考えると、パキスタンが東パキスタンで強姦や虐殺を行っていた事さえ不問にし、パキスタンを擁護。さらに第四次中東戦争では、エジプトやサウジアラビアからソ連の影響力を排除し、米国側に引き寄せた。

この辺りの功績を見ると、キッシンジャーは冷戦時代に、いかに米国がソ連に負けないようにするかに全力を投じた人物であり、米国の国益を守った大功労者とは言える。一方、目的のためには手段を選ばなかった事も事実だ。国連から、台湾を追い払い、中共を国連の安全保障理事国にしたのもキッシンジャーだったが、この理由も、米ソ冷戦下で、
・中露を組ませない
・中国をソ連ではなく、米国側に引き寄せる
という目的があったからだ。
キッシンジャーは生涯のうちに何百回も中国を訪問したが、当時は親中派というわけではなく、全てはアメリカの国益ために中国と親しくするだけで、中国のスパイであったわけではない(当時は)。

一方、国内では、シオニスト(親イスラエル派ユダヤ人)をアメリカ政府の多くの要職につけ、ユダヤ人のアメリカ政府内での権力を揺るぎないものにしたのもキッシンジャーだった。さらにアメリカにはADL(名誉毀損防止同盟)という米国最大のユダヤ人団体があるのだが、この団体や、数百もの関係機関が永遠に免税となるよう規則を書き換えもした。
今日、米国政府が親イスラエルであるのは、この事とも大いに関係があると言っても過言ではない。かと言って、彼はユダヤ人徹底擁護派だったわけではないのだ。ユダヤ人を『自己奉仕のロクデナシ』と呼んでいたことも明らかになっている。ウォルター・アイザックソンは、政府の危機対策本部であるワシントン特別行動グループの会合で、キッシンジャーが『もし私の出生の偶然がなければ、私は反ユダヤ主義者になっていただろう』と不平を漏らしたと証言している。『2000年も迫害されてきた民族は、何か悪いことをしているに違いない。』とも言っている。政治の世界の事なのでユダヤ系団体と何らかのシガラミもあったろうが、彼自身、ユダヤ人でありながら、ディアスポラ擁護派(世界に散在するユダヤ人擁護派)ではなかった。

『自己奉仕のロクデナシ』『もし私の出生の偶然がなければ、私は反ユダヤ主義者になっていただろう』『2000年も迫害されてきた民族は、何か悪いことをしているに違いない。』とキッシンジャーが言ったと公表するメディア。

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