日本国内でゲーム会社を起業した中国の友人の話
今日はちょっと箸休めの話題として、翻訳の仕事でも付き合ってる友人の話でもしようかと。
私と同じ二十代半ばで、男性ですけどもちろん彼氏ではありません。単純に他の人より話しかけやすいし、そういえば話のネタもあったなぁと思って記事にしてます。
ところで、日本に留学してくる中国人って多いですよね。
特に新宿とか東京のど真ん中に留学生が集まってて、地方よりも遙かに多いでしょう。
その友人はネズミーランド歌舞伎町に住んでました……
中国の田舎からいきなり歌舞伎町を選ばざるを得なくなったわけで、色々大変だったみたいです。
普通の留学生たちとは違って、彼の目的は就労ではなく、日本でゲーム会社を起業することでしたから、起業ビザが必要でした。
しかし、起業ビザは普通の在留カードと比べて、ハードルが高いのです!
まずは東京にいる行政書士や弁護士を探し、500万の資本金があるか色々チェックされて、とにかく資料、資料……とありとあらゆる資料を提出し、また社宅も必要ですから、物件探しをして購入する必要がありました。
それに中国人は特に一軒家にこだわるんですよね。
こっちの感覚だと、「別に賃貸でもいいんじゃない?」となりますが、多くの中国人は一軒家に住めるような経済状況ではないので、「一軒家に住みたい!」と日本に憧れる人も少なからずいますw
けして裕福ではないとか、そういう意味ではなく、むしろ日本人よりも高水準な暮らしをしてる人も多いはずなのです。あとはアニメの影響なのかもしれませんね。
(アニメに映っている光景が日本での日常生活だと思うから。)
そんなこんなで彼は無事に日本語能力試験(N2)に合格し、晴れて留学ビザから経営ビザを取得。ワンダーランド歌舞伎町から脱出(?)し、毎月会社の仕訳を税理士に提出し、毎年のビザ更新やマイナンバーの更新に迫られ、入国管理局に新型コロナを移されました……
※外国人は永住権を取得しない限り、毎年更新する必要がある?
何が大変かって、彼はゲームを作ることが本業なのに、ゲームとは全く関係ないことで忙しかったからですね。
ゲーム作りに集中できないのが相当なストレスなのはわかります。
でも、彼がなぜ日本でゲーム会社を起業したかったのか。
実を言うと、中国国内では規制対象になるものを作っていたから。
要するにソッチ系の作品ですが、中国で18禁の創作物を作ること自体が違法なのです。もしゲーム会社が公に作っていたら、本当に捕まります。
アクションゲームを作っていた別の開発者からも「作りたい意思はあるけど無理」と言ってましてたが。台湾に同作品を販売するためには台湾の行政機構の審査をクリアしないと作品を出すことさえできません。
また、ブルーアーカイブやアークナイツで有名なYostarは元々中国の企業ですが、今は東京に移転して根を下ろしてます。日本語へのローカライズも素晴らしいと別の翻訳者が言ってましたね。
話を戻しますが、日本で起業したもう一つの理由は節税です。
以前は個人事業主だったのですが、確定申告の時に収入の半分を国に持って行かれました……!!
さすがにひどいと思ったなぁ。
また法人設立後も、企業と個人の両方で確定申告を行わなければならなかったので、本人はさぞ大変だったでしょう。
ちなみに彼は一人で起業したのではなく、2人の友人と一緒に収入を分けている状態です。そのうちの一人は金融リテラシーに通じていて、行政の財務報告を見ただけで住みやすい街かどうか判断できてしまうほど詳しく、今はNISAで手堅く儲けてるみたいです。
彼らの目標は不労所得で暮らすこと。
話は変わりますが、その友人(会社)とは契約書を作っていなくて、個人の時からもずっと請求書+チャットでのやり取りだけで済ませてました。
基本的に中国人は柔軟な対応をしてくれるんですよね。中国のパブリッシャーと契約する時やより正式な場面では電子契約書やNDAにサインする必要もありますが、リアルタイムで意思疎通して問題解決しようという感じなので、あまり形式ばったことにこだわりません。
少なくとも私が関わったゲーム関係の人だとそういう傾向です。
完全リモートワークでシフト制の仕事も一時期やってましたが、週5から週2に変更するときもチャット内の相談で済みました。
相手がOKと言えば、もうそれでOKなのです。
ついでに中国文化もちょっと伝えられたかな。
また別の機会に色々書きますね!
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