感謝される監査
1人監査人をやっておりますと、仕事に対する評価というのはなかなか得る機会はありません。(もちろん、IPPFには記載されているものがありますが)評価の機会が無い為に、仕事をやっていく行き詰まりみたいなものを感じる事もあります。「この監査は意味あるのか?自分自身が”仕事をやりましたよ”という痕跡を残すだけでこの監査をしているんじゃないのか」と。悩むけれども、社長にいう訳にもいかず、1人で独り言の壁打ちを永遠と繰り返している今日この頃です。
”その領域の”監査を行う意味や意義はどこにあるのか?監査人が意味がある意義があると思う事が最低限の前提です。そしてその本質のところを業務部門の方に伝わると結果として良い監査になると思います。「指摘いただきありがとうございます」という言葉が本音でいただける。
こういった業務領域って本当の意味のリスクが内在しているんだと思います。リスクアセスメントのアプローチに悩むこともありますが、社内のありとあらゆる情報に常にアクセスしてアンテナを張り巡らせる事で見えてくる事もあるかもしれません。
監査で指摘してくれるのを待っていました。というようなお話もあります。自らの業務部門で業務フローの統制が弱い事を気にしている。でも、それを上司に行っても改善してくれないし、私も忙しい。強く言うと「じゃあ、あなたがそれをしてください」と仕事が増える可能性もある。会社の事を考えると良くないけれど、でも私は毎日忙しい。。。そんなところで監査人が指摘をすると、妙にありがたがっていただけるケースもあります。一方で業務部門から声が上がらない、上がりにくい状態は別のリスク(心理的安全性)がある事も認識しておかねばなりません。
業務監査を行う上においては常に気にしているところです。業務部門の方と普段の何気なく会話した時に、自部門の不安な統制を監査人に伝達していただけるか?本当に会社を良くしたいという純粋な気持ちで話を聞かない限りお話いただけません。「指摘する事のみが仕事になる監査人」であれば、業務部門の方が自らお話いただける事もありません。
1人監査人の限界は、あります。これを補う為には、業務部門の方の協力と協力を得るための監査人の普段の業務に対する考え方がどの様に業務部門に伝わっているか?その為には自分の仕事に対する姿勢を常に問い、視座を高くして「自分の為に仕事をするのではなく、会社の為に仕事をする」(結果として自分のキャリアにも繋がっていくと思います。自分のキャリアを上げる事を目的として仕事をしても外形的にはともかく、本当の意味での良いキャリアが出来るとは思いません)
1人監査人の方にご参考になれば幸いです。