教育がもたらすものとその重み
63歳になり、改めて教育の重要性とその怖さを痛感している。若い頃は、教育とは単に知識を習得する手段であり、社会に出るための準備としか捉えていなかった。しかし、年齢を重ねるにつれ、教育がただの知識の伝達にとどまらず、個々の価値観や人生観に深く影響を与えるものだと気づかされるようになった。
これまで疑問にも思わずに正しいと信じてきたことが、実は間違っているのではないかと考える瞬間が増えてきた。若い頃に学んだ知識や常識が、今の時代の価値観や社会の変化に照らしてみると、時には古くなり、時には偏ったものであることに気づく。そのたびに、自分の中で葛藤が生まれるが、問題はそこにとどまらない。
そうした間違いを認識しながらも、それを素直に受け入れて、自分の考えを改めることができない自分に直面する。長年の習慣や信念が、まるで体の一部のように染みついてしまい、いざ修正しようとしても、根深く抵抗感が湧いてくる。それに気づいたとき、教育が与える影響の大きさと、それが一度定着すると修正が難しいという怖さに、深い畏敬の念を抱くようになった。まさに、ここに教育の恐ろしさがあり、それを実感している今、自分自身の思考や価値観を見直すことの重要性と難しさに直面している。