《現代詩》泣きたくなるんだ
訳もなく 苛ついて
訳もなく 涙が溢れて
コントロール出来ない
この気持ち
“吐き出してしまえよ”と
人は簡単に言うけど
自分で決めたはずなのに
まるで
死刑執行を待つ
受刑者のよう
余裕のひとかけらもなく
絶望に立ち竦む
生きる意味なんて
考えたくないよ
自分の心臓の音くらい
大したことないよ
だけど
泣きたくなるんだ
どうしたって
自分の存在は
ここにしかない
知らぬ間に 追い越され
知らぬ間に 取り残されてた
どこにも行き場のない
この気持ち
“ちゃんと前を向けよ”と
人は簡単に諌める
一人で生きるつもりでも
いつも
殺処分寸前の
保護猫のよう
人の目に怯えてしまう
ただ 震えるだけ
生きる意味なんて
死ぬまでの暇潰し
自分の心臓の音なんて
誰も聴いてないけど
だけど
泣きたくなるんだ
どうしたって
自分の存在を
消したくはない
泣きたくなるんだ
どうしたって
自分の存在は
ここにしかないから