見出し画像

暑い日に聞きたいアルバム 佐野元春「VISITORS」

お暑うございます。

6月下旬ですがこの暑さはなんなんでしょうか、、、。外はもちろん暑いんですけどうちのリビング(そんな英語が似合わない六畳の和室)にはエアコンがないので扇風機のみで涼んでいます。

ヤバいです。扇風機だけでははっきりいって暑いです。アイスバーと冷たい麦茶のおやつでお腹壊しました。これが政府のいう「節電」になるのでしょうかね、、、。   


、、、そんなわけで私のように暑い中SDGsにコツコツ取り組んでいらっしゃる皆さんに。首に巻くひんやりタオルや頭を冷やすアイスノン以上にクールな音楽アルバムを紹介します。

佐野元春が1984年に発表したアルバム「VISITORS」

1983年日本のニューカマーとして人気絶頂だった最中、佐野さんが単身ニューヨークに渡米して約1年後に完成した渾身のアルバムです。

実は私、初めて買った佐野元春のアルバムがこの「VISITORS」でした。佐野元春、というアーティストの名前は知っていましたが佐野さんの代表曲といわれる「SOMEDAY」を聞いたことがありませんでした。

ではなぜこのアルバムを買ったのか。

今このnoteにも現代詩を不定期で投稿しておりますが、私は中学1年生の一年間、自由に書いた詩をたまたま隣に座った同級生と交換して互いに感想を述べる、という結構地味ではありますが間違いなく我が母校に存在していた「詩歌クラブ」というクラブ活動に所属していました。

自作の詩を交換した子とは特別仲のよい子ではなかったのですが、彼女が作った詩が書かれた紙の下の方の片隅に

小鳥たちもさびしそうさ                                    君がいなければ                                                  by  motoharu sano

と書きこんであるのを目にし、彼女が作った詩そっちのけで(ひどい)「佐野元春さんの詩って素敵。カッコいいねー」と感想を書いたことだけ覚えています。

その頃私の趣味がラジオで聞いたオリコンウィークリーのランキングをノートに書くこと(なんとあの“ういっしゅ!”のDAIGOもやっていたらしい←)で、アルバムランキングに「VISITORS」が4週連続1位であったのを知っていたのでそんなに流行ってるんだ、と必然的に興味を持ち聞いてみたいと思うようになりました。

おこづかいで「VISITORS」を購入し、家に帰ってレコードに針を落とした瞬間

「チャチャ!!」←(ピアノです)

印象的なピアノのスタッカートの後にベースの轟くような低音のビート、自然と体が動くリズムに重厚なサウンド、跳び跳ねるようなホーンと何より佐野さんの隙のない完璧なラップがあまりにかっこよく、今までたのきんや聖子ちゃん等のアイドル歌謡を聞いていた私はすごく度肝を抜かれました。

そして「あれ?佐野元春ってこんな曲歌う人だったっけ?」と。それまでほとんど佐野さんを聞いていなかった私でさえそう思ったのですから今までずっと佐野さんのファンだった人はどう感じたんだろう?と思ってしまう程衝撃でした。

そのアルバムのトップバッターにくる「COMPLICATION SHAKEDOWN」のミュージックビデオは当時あまりにラジカル過ぎる、という理由でお蔵入りしていましたが後にアニバーサリーか何かの機会でそのMVを拝見することができました。何というか不思議なダンスをする佐野さんがそこにいました汗

アルバムの2曲めは最初にシングル・カットされた「TONIGHT」でこの曲だけがラップでもヒップホップでもない、いい意味で安心?できるナンバーです。

3曲め「WILD ON THE STREET」はそのタイトルどおり

「オレを壊してほしい バラバラになるまで それを壊してほしい メチャクチャになるまで」

とワイルドな歌詞のアップナンバー。

4曲目のバラード「SUNDAY MORNING BLUE」を聴いてあっ、中学の詩歌クラブで同級生の子が用紙の片隅に書いていた歌詞だ、と気づきました。ジョン・レノンのことを歌ったのだとか。切ないけど美しいバラード。

昔はレコードの裏面をひっくり返すとB面でしてそのB面の最初がアルバム表題曲の「VISITORS」でした。                                      この曲のイメージは、皆さんが宇宙人が話すときによくやる“首もとをチョップしながら話す”ような歌唱法です。聴けばわかります笑 抑揚のない歌唱がクール。

次の曲は以前フジテレビで放送された「ライブエイド」というチャリティー番組で放映されたメッセージ色の強い「SHAME~君を汚したのは誰」。                                                       放送されたテレビ用のMVはモノクロの画面にライブで歌唱する佐野さんのアップと軍隊が行進する場面とが歌詞とオーバーラップしていました。 あの頃から38年たった今でも戦争って無くならないし、人間の卑劣な行為に対する「ひどすぎる」という率直なフレーズに大人になった今の方が胸に痛いほど実感します。

B面3曲目は「COME SHINING」。「SHAME」とはうってかわって明るく軽快なヒップホップチューン。私の記憶ではこの曲、「世界あの店この店」という5分程度のミニ番組に流れていたような気がしたんですけど気のせいでしょうか?(気のせいかも)

このアルバムの最後の曲「NEW AGE」。

 「数えきれない痛みのキス 星屑みたいに降ってくる」         

  この最初のフレーズをもう一度繰り返します。2番は

「昔のピンナップはみんな 壁から剥がして捨ててしまった」

リピート。なんてカッコいいんだーーー!!

そしてこの“ニューエイジ”というタイトルも佐野さんがこのアルバムを出してから急に使われ出したような気がします。ブルーな恋に落ちてゆく、と歌いながらもそれが素敵な新しい世代だという希望に満ち溢れた曲です。私はこの曲で日本で一番カッコいい人は佐野元春だと確信してしまいました、、、。

すっかりアルバムのレビューみたいになってしまいましたがラップやヒップホップに興味がなくてもいいのでぜひ全体を通してこの「VISITORS」を聴いてみてください。私は昔を思い出してあえてレコードでB面が~と説明しましたが初めて聴く方はCDかyoutube等で。

最後の曲が終わる頃には不快な暑さが吹っ飛んでいるはずです(たぶん)。







       


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?