《現代詩》凝縮の幸福
集合住宅の
狭くて引っ込んだ
バルコニーが好きだ
見ていて飽きない
カーテンはしまっていても
光が溢れていても
生活の一部分が凝縮されたような
安心感がある
弁当箱の限られた空間に
隙間なく彩りを詰め込むような
そんな些細な幸せ
代わり映えのしない毎日でも
ちゃんと生活していることを
実感する
人によって
感じ方は違うのだから
誰かに幸福論を押し付けられても
自分だけの小さな
ほんの小さな
端から見ても理解されないような
そんな価値観でも
自分が満足していれば
それでいいではないか
なあ