《現代詩》冬に啼く
冬は
凍りつく前に
澄みきった風に
逆らいながら
進まねばならない
永遠のペシミスト軍団は
そう言うだろうが
空っぽの心は
それを許さない
流れる雲は
行くあてもなく
日射しを遮る
影となり
水溜まりは
最果ての空の一部分を
ただ映すのみ
身体に突き刺さる
風を受け止めながら
前を向き
おもいっきり啼くのが
いいのだ
冷たすぎる
風に揺蕩いながら
おもいっきり啼くのが
いいのだ
やがて
何処からともなく
似たような我が現れ
氷のような命を
溶かしてくれるのだ
闇雲に
逆らってはいけない
ゆっくりと
前へ進め