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愛がたっぷりな『「無能はいらない」と言われたから絶縁してやった』
木曜はライトノベル愛を語ります。今回は、『「無能はいらない」と言われたから絶縁してやった』です。
この物語、魔王に拾われ、溺愛されて育てられた主人公ブラッドが、とある事情から魔王の元を去り、大きな事件に関わっていく…と言う内容が縦軸。少々(かなり?)過剰なお色気シーンと共に展開される、主要ヒロインであるアリエルとの関わりを中心とした恋愛話が横軸…と言う構成となっています。
この縦軸と横軸、割とがっちり絡み合っています。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、先程書いた「大きな事件」の解決に、恋愛話が大きく関わってくるからです…って言うか、途中で、「これはもしかして、事件の解決にはアレが必要なのでは…」と気付いて、それが見事にビンゴでした。
私程度の勘で気付くのですから、どなたでも気付くと思います。もっとも、今後が分かる展開になっても面白い…それがライトノベルです。
また、この物語、恋愛ばかりでなく、様々な「愛」が出てきます。幼い者を慈しむ愛、関わった人々を思いやる愛、家族への愛…戦闘シーンの多い作品なのですが、読後の記憶に残っているのは、「愛がたっぷりだったなぁ」と言う気持ちです。
中でも、愛が過剰な程たっぷりなのが魔王です。ブラッドへの溺愛ぶりが強調されていますが、単なる「バカ親」ではありません。実は、ブラッドの力を信じ、励まし、支えています。その、愛の裏付けがあるからこそ、ブラッドは自分を信じ切る事が出来るし、事件を解決する為に全力を尽くす事が出来る訳です。
教師として、親として、この魔王の様にありたいものだなぁ…と思いました(あ、真面目)。
因みに、コミカライズもされていて、小説版とは割と設定や展開が違っています。でも絵柄が可愛らしくて、こちらも面白いです。