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それは貴方の理想でしょ
月・火曜は学校教育の話です。今回は、妻から聞いた授業の話をします。
この記事を書いた令和5年度、妻は2年生の担任でした。札幌では、国語の授業で光村図書の教科書を使っており、2年生の最後の方の単元に「スーホの白い馬」という作品があります。
知らない方のために簡単に紹介しますと、モンゴルの草原で羊飼いをしている貧しい少年スーホが主人公です。ある日スーホは白馬と出逢い、様々な出来事を通し、スーホと白馬は家族の様な親友の様な関係を築きます。しかし、そんなスーホと白馬を悲劇が襲い…って感じの物語です。赤羽末吉さんの素晴らしい挿絵で、福音館書店さんから絵本が出ているので、興味のある方は読んでみてください。とてもジーンとくる絵本です。
話を戻します。
作中、主人公スーホの居住地域を治める殿様が競馬大会を開く場面があります。優勝者には、殿様の娘と結婚する権利が与えられる事になっていました。この大会でスーホは優勝するのですが、殿様は彼が貧しい羊飼いと分かってガッカリしてしまいます。
この場面で妻は、「殿様は、どんな人が優勝すると考えていたと思う?」と問い、ノートに書かせてから発表させました。基本的に否定的な事は言わず、次々と発表させたそうです。
※ 以下、カギカッコは子供の発表、カッコは妻の心の声です。
「強い人だと思う」
(うん、そう言う考えは出てくるよね)
「格好いい人です」
(まぁ、広く考えれば、そう言う考えもあるかな)
「優しい人」
(う~ん、かなり現代っぽいなぁ)
「料理の上手な人」
(…それ、完全に貴方の理想でしょ!)
先程も書いた通り、競馬に優勝した人は殿様の娘と結婚できるはずでした。だから妻は、「料理の上手な人」が出た時、「現代ならポイントの高い条件だけどねぇ」とも思ったそうです。
この後、妻は、「色々出てきたけど、絶対に外せない条件は何かな?」と問い直しました。そして、何とか軌道修正して授業を終えたそうです。
さすが2年生。
物語の登場人物と自分が、渾然一体となってしまうのですね。 (^_^)