千切った形から・後編
月・火曜は学校教育話。今回は前回の続きで、図工での成功と失敗を語ります。
千切った形からイメージを広げさせる図工。千切り方は、まずまず上手に指導できました。問題は、この後に2つあります。
1つ目は、発想を広げて見立てる段階。「何も思い付かない」と言い出す子が何人もいたのです。
これに対して私は、「それじゃ、全部片付けてイイよ。後は自習していてね」と、冷たく言い放ちました。もちろん、その後に説明を続けます。「上手に色を塗れないとか、上手に切れないとかは、先生が手伝ってあげられます。でも、千切った形を見て何かをイメージするのは、貴方にしか出来ません。先生がイメージしちゃったら、それはもう先生の作品になってしまうからです。だから、頑張って何かに見える様に考えるか、諦めて自習するか…好きな方を選んでイイですよ」と。
この指導については、きっと御批判があると思います。「ちょっと厳しすぎないか」とか、「もう少し優しい言い方は出来ないのか」と。それは全く、その通りです。
でも、私に出来る指導はコレが精一杯。優しい指導は、別な人が担任になるまで我慢してもらうしかありません。
因みに、自習を選んだ子は一人もいませんでした。「雷に見える」とか「花に見える」とか、全員、何とかイメージを捻り出していました。これについては、どの様なイメージでも「あ、それイイねぇ」とか「確かに、そう見えるよ」などと肯定しました。頑張って考えたのですから、どんなイメージであっても、ここは否定禁止…全肯定です。
もう1つの問題が、クレヨンによる色塗りです。最近の子供たち、クレヨンで縁取りしたら終わり…と言う子が多いのです。
それがダメだとは言いませんが、きちんと中まで色塗りしてほしい…とも思います。それで、教師が作っていた見本では、描き足したものの縁取りをした後、中までガッチリ塗る様にしました。
これが大失敗。
気合いの入った子供たち。クレヨンで色を塗る、塗る。色画用紙の上にもガッチリ塗り始めたのです。中には、「これは象だから、灰色に塗らなくっちゃ」と言って、せっかくの色画用紙を灰色に塗り潰してしまう子も…。
ココは、もう少し色の塗り方を細かく指導すべきでした。何と言っても、彼らは1年生なのですから。
今回の「ちぎった かたちから」。千切らせ方は成功ですが、色塗りは失敗なので、1勝1敗の引き分けって感じでしょうか。ま、私の実践なんて、こんなもんです。w