主目的にはならない「ひたる」
水曜は八軒自然科学クラブの思い出話です。今回は、ここ2回ほど続けて書いている「ひたる」活動についてです。
これまでの記事では、「ひたる」活動が発生すると、主目的が後回しになり、結果として主目的が達成されない事もあった…と書きました。こう書くと、「それなら、その『ひたる』活動を主目的にして活動すればイイんじゃないの?」と疑問を感じる方がいるでしょう。
でも「ひたる」活動は、残念ながら主目的にはなりません。何故なら、いつ、どの様な形で発生するか分からないからです。
例えば、2月21日の記事に書いた5月の春香山登山なら、ほぼ間違いなく、山菜採りが山登り中に発生すると言えます。カエルやサンショウウオの卵集めも、かなりの高確率で発生すると言えるでしょう。
しかし、2月14日の記事で紹介した崖上りは、全くの偶然から発生した活動です。実際、あの活動が発生したのは八軒自然科学クラブの長い歴史の中で、あの時の1回だけでした。その前にも後にも、あの様な活動は発生していません。
2月21日の記事で書いた通り、「ひたる」活動は子供たちの中から自然に生まれてくるものです。もちろん、我々指導員が誘導する事も無い訳ではありません。何気なくイタドリで笛を作ったら、子供たちが面白がって「ひたる」活動になった事もありますし、「今日はキノコ狩りするぞ~」と言って、最初から「ひたる」活動になるよう誘導する事もあります。
でも、ある活動が「ひたる」活動になるかどうかは、子供たちが「この活動は面白い」と感じるかどうかなのです。活動の主体は、あくまでも子供たちであり、だから全てを誘導する事はできません。その様に、不確定な要素が沢山あるのですから、「ひたる」活動自体を主目的にする事はできないのです。
予測不能な面白さ…それが「ひたる」活動でした。
ちょっと、JAZZライブの即興に近いかもしれませんね。