疾走感抜群『残り一日で破滅フラグ全部へし折ります』
木曜はライトノベル愛を語ってます。今回は、令和5年末に読んだ本を紹介します。
今回紹介するのは、『残り一日で破滅フラグ全部へし折ります~ざまぁRTA(リアルタイムアタック)記録24Hr.(アワー)~』です。いわゆる異世界転生物で、悪役令嬢物です。
主人公アレクサンドラは、ある日ある時、転生前の記憶が蘇ります。それにより、大変な事実に気が付きます。自分の生きている世界は、転生前に行っていた乙女ゲームの世界で、自分は悪役令嬢に転生している…しかもしかも、24時間後には断罪されてしまうと言う事実に。
もう、お分かりだと思いますが、この作品の最大の特徴は、ほぼ丸一日…つまり24時間で物語が展開するという事です。有名な、キーファー・サザーランドの大ヒットTVシリーズである『24時間』に似ています。
『24時間』も24時間の出来事を描いていて、1シーズン24話、1話あたり現実の1時間分だけ話が進みます。つまり、ドラマの時間進行と現実の時間進行が一致している訳で、それにより物語の現実感が増し、物語に入り込みやすくなります。
『残り一日で~』は読み物なので、物語の時間進行と現実の時間進行(読み進める際の時間進行)は必ずしも一致しません…が、読んでいる時の疾走感は物凄いです。概ね、1章あたり1時間分(0.5時間分の時もあります)なので、話の区切りもつきやすく、さくさく読み進められます。
そもそも、たった24時間で破滅フラグを全部へし折り、断罪を防がねばなりません。主人公に、余計な事をしている暇なんぞないのです。だから、1章ごとに物語はぐんぐん進んでいきます。そして、あっという間に最終場面、断罪シーンとなる訳です。
実際、私は2時間ちょっとで読み終えてしまいました。220頁の作品なので、分速2頁に近い感じでしょうか。普段は分速1頁いくかどうかなので、かなりのスピードアップです。きっと疾走感につられて、読む速度も大幅アップしたのでしょう。
読後感については賛否あるかもしれませんが、読んでいる途中の疾走感の心地良さは最高です。「たるい展開の作品は嫌いだぜ」って方にオススメだと思いました。
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