太った人間の理想かも『豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい』
木曜はライトノベル愛を語ります。今回は、私の様に太ってる方にオススメの作品を紹介します。
作品名は、『豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい』ですが、作者の合田拍子さんはコミックあとがきで、『豚』と略して書いていました。もしかすると正式な略称は、本当に『豚』かもしれません。
物語は、諸事情から超絶太った上、素行も最悪だった主人公スロウ・デニングが、転生した事実を思い出すところから始まります。ここは前世のアニメの世界であり、このままだと従者のシャーロット(元々のスロウも、転生したスロウも惚れている)はアニメの主人公に奪われてしまうと分かったスロウは、本気を出して大活躍する…という、まぁ、転生物にはありがちな物語です。
この物語の一押しポイントは、何と言っても主人公が太っていると言う事でしょう。ラノベの主人公は細身の美男美女という事が多いですが、この作品の主人公スロウは、座った椅子が壊れる程の太さです。しかも疲れてくると、言葉のあちこちに「ぶひっ」と入ってしまいます。
ここまで主人公が美しくないライトノベル…私は初めて読みました。
でも、これがイイのです。この美しくない主人公スロウが、黙々と努力して活躍する…それがイイ。
さすがに、座った椅子が壊れる事はありませんが、生身の私自身も結構太っています。そんな自分でも、地道に努力すればヒーローになれるかもしれない…そんな夢や希望が与えられます。
実は、スロウは相当な努力家です。だから、作中では頑張ってダイエットしているため、物語が進むにつれ徐々に痩せていきます。それでも、私が読了している3巻までは太っています。
だから、「太ってたって頑張ろうぜ、俺たちも」…そんな気持ちにさせられる作品です。