専修大学現代文化研究会編「近代的人間の現況 現文研モノグラフ1」より
公立図書館で専修大学現代文化研究会編「近代的人間の現況 現文研モノグラフ1」という本を借りた。奥付を見ると「1986年3月31日 第1刷発行」とある。ソ連崩壊前、私が生まれる前の本である。
このうち「第三章 経済学批判の構制と射程ー『資本論』読解の可能性」と題して専修大学経済学部非常勤講師時代の石塚良次氏が書かれた文章が収録されている。主題はマルクス著「経済学批判」に置かれているが、古典派経済学とマルクスが前提とする社会や人の違いを説明するためにロックやホッブスなども引用されており、非常に難解な文章であった。音読してみたが私の頭の処理能力を超えているらしい。途中から読経と化してしまった。…というわけで、あまり胸を張って「読んだ!」とは言えないが文末に惹かれる箇所があったので引用しておく。
形而上学的思考の特性がその自己完結性にあるとしたら、『資本論』はそのような思惟の対極に位置している。大切なことは、我々が、今マルクスをどう読むかであろう。彼は開かれたテクストとして常に我々の前にある。