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ダイバーCity ロンドン

ロンドンに来て1週間が過ぎた。
私はこの街を気に入り始めている。


一言で言えばミックスカルチャー


人種が非常に多様でたくさんの文化が混在している。
今いる職場の中だけを見ても純粋なイギリス人はかなり少ない。イタリア人、スペイン人、ポーランド人、フランス人、アメリカ人、中国人、などなど。

皆、英語で会話しているが、アクセントやイントネーションも様々。はっきり言ってかなり理解するのが難しい。

てっきりそれぞれが意思疎通できているのかと思いきや、
「いや、結構分からないよ。僕が入社した時1年間は上司と意思疎通できなかったよ。」なんて答えが返ってくる。

そんな馬鹿な。

日本人だから英語が苦手と思いがちだが、彼らの間でも100%意思疎通できていないと聞いて少し安心した。

セクシャリティに関しても多様だ。

しかも皆オープンだ。

「LGBTの方とHIV患者さんのためのチャリティ企画に会社の同僚が参加するからおいでよ!」と誘われて行ってみると、drag queenがいる店で、体毛を剃って募金を募るというイベントだった。

万一知らない方の為に書いておく。

ドラァグクイーン(英: drag queen)は、誇張した女らしさや性表現(女装)でパフォーマンスを行う人物。ゲイのシスジェンダー男性であることが多いが、さまざまな性的指向や性同一性のドラァグクイーンも存在する。纏った衣装の裾を引き摺る (drag) ことからこう呼ばれる。

ウィッキーさんに聞きました


体毛を剃る必要性が全く意味不明だが、とにかく衝撃的でクレイジーな夜だった。

何かの規制に触れるかもしれないのでおとなしめの写真だけ貼っておく。この後舞台の男は裸になり、胸毛を剃られ、司会者においしいチョコレートちゃん、と言われながら食べられたことだけ伝えておく。

司会の魔人ブウは190センチくらいの大男だった。チョコになっちゃえ〜


日本だと有り得るだろうか?
ゲイだという同僚の晴れ舞台を仕事終わりにみんなで電車に乗って観に行くのだ。

またその同僚のお母さんも来てたりして、日本だと恥ずかしい、って思いがちなこともこちらでは誇らしいことだったり、自己表現の一つで認め合えることがとても清々しかった。

なんだかとてもイイナって思った。

こちらではお金のために生きるのではなく、社会とつながって自分を表現するために生きるのだ。
だから皆抱えているものはそれぞれあっても幸せそうなのだ。

日本だとなかなかない価値観だけど、こっちの人の笑顔がとても印象的だ。


そして日本人も頑張っている


ある日歩いているとマーケットに日の丸ののぼりを見つけた。
近づくとおにぎり屋さんだった。

店主は大阪出身のマサミさん。まだこちらで商売して半年程度とのこと。
ご主人はフランス人だそうだ。馴れ初めを聞いたら京都で出会ったとのことで、妻を見るご主人の目は愛情に満ち溢れていた。

一個4ポンド(800円)する小さなオニギリは決して安くなかったけれど、同じ日本の方が頑張ってると思うとプライスレスな価値があった。
味の濃さも日本の2倍濃くてびっくりしたけれど。

高菜は味噌マヨネーズ入り。梅はユズソースだった。濃ゆかったけど味付けもこっちで売れる為に試行錯誤したんだろな。


ホテルでの話

こちらの記事で書いた続きにはなるが、結局部屋の清掃はお願いすることにした。さすがにタオルは替えてもらわないと衛生上不安になったからだ。

清掃与奪の権はやはりホテル側が握っていたらしい。


ある朝会社に向かおうとエレベーターに乗った。
ルームキーをセンサーにかざしてGフロアのボタンを押す。

いつもなら、ガコンと乱暴な音と共にエレベーターはすぐに降り始める。

だけどその日は様子が違った。

ボタンを押して表示はGとなっているが全く音がしない。
今日は随分静かに降りるのだな、と一瞬思ったが動き始める気配がない。

もう一度ルームキーをかざしてボタンを押す。


変化はない。


この辺で焦り始める。あれ、これはもしかして閉じ込められたのではないか?


そして色々思い出す。

前の日の晩地下鉄が止まっていたこと。
シャワーを支える金具が壊れかけていること。
ショッピングモールのエスカレーターが壊れていたこと。
隣のホテルの入り口の取っ手が取れていたこと。
近くのヒルトンホテルは雨漏りがすると口コミに書いてあったこと。

日本だと有り得ないけど、こっちならちょっとしたトラブルでエレベーターが止まるとか普通に有り得る。

有りすぎるくらい色んな不具合をここ数日で目にしている。


とりあえず祈るように開ボタンをそっと押してみる。


開かない。


連打してみる。

降臨せよ!うちなる高橋名人!!


うぉりゃりゃりゃりゃりゃ!!


開かない。




何かないか?
藁にもすがるとはこのことか。
使えそうなものがないかエレベーターの中を見渡してみる。

そう言えば、上のダクトから脱出する、みたいな映像をテレビで見たことがある気がする。



上を見上げると、真っ平でのっぺりした天井がアホな私を見下ろしている。どこからも出られそうにない。


同僚に連絡しようとスマホを見るとエレベーターの中はWi-Fiが届いていないようだ。




ダメだ。
酸素が薄くなってきた気がする。

たかだか数分しか経ってないから多分気のせいだ。




おや、よく見たらコールボタンがあるじゃないか。
テンパリすぎてて何も見えていなかった。


今度こそ助かったと勢いよくヘルプミーボタンを押してみる。





無音。



God!!


もうあれだ。これはnoteのネタを探しても見つけられない私に神が与え給うたチャンスだ。
そうに違いない。
私の生きる使命はこれを如何に上手に記事に仕立て上げるか。それのみだ。

あれ、神よ!そう考えると刺激が足りないのではないですか?ほら、電気は消えてないし、緊迫感が足らないのでは?
映画みたいにもっと派手にしてもいいのですよ?


いや、嘘です。正直結構テンパってます。
調子に乗ってすみません!
どうかすぐに動かしてください。
日本には可愛い妻と子供2人を置いてきているのです。。
どうか、どうか神よっ!!





ガコン!


哀れな子羊の願いが叶ったのかどうかは知らないがエレベーターは何事もなかったようにGフロアに着いた。


そして脳内でエアロスミスが再生される。


サンキューおじさん、無事生還したよ。

何も救ってないけど。


フロントのお兄さん何言ってるか分からないけどいつもサンキュー!


あ、清掃のおじさんも多分めったに呼ばないけどサンキュー!


そこで優雅にお茶を飲んでいるマダムもサンキュー!エレベーターにはお気をつけて!


みんな!
読んでくれてサンキューサンキュー!


結局頼りにしてしまうこのワード


#なんのはなしですか
#賑やかし帯
#66日ライラン



がんばって参加してます。

19日目サンキュー!


サポートいただきありがとうございます😊嬉しくて一生懐きます ฅ•ω•ฅニャー