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生きるということはなんのはなしですか

これはインドの牛の話だ。

沢山飼われている牛の中でも特に勤勉で人一倍(ウシ一倍)働く牛がいたらしい。

餌を食べる量はみんなの半分。
働く量はみんなの倍。

飼い主はとてもその牛を可愛がったそうだが、1つ不思議なことがあったらしい。

夜中にその牛が人の言葉を喋るというのだ。

インド人もびっくりなはなしだが、どうやら聞いたことのない言語らしい。

すると近所に住む旅行好きなおじさんが教えてくれたそうだ。

「これは日本語だな」

「日本語だって?あんたわかるのかい?」

「いや、まったく。そんなことより、最近うちの妻がナンにチーズを入れたんだがこれがまた格別でな」


結局おじさんにも分からないなら仕方がない。
飼い主は気にしないことにしたのだが、インターネットの時代とはすごいもので、遠く日本にいるお坊さんがその話を聞きつけた。

「なにやら、インドに日本語を話す牛がいるらしい。一度会ってみたいものだ。」

そういう不思議な話に導かれるようにお坊さんは遠くインドへと向かったのだった。



かくしてインドでお坊さんはくだんの牛と対面するのであった。


お坊さんは優しく牛に語りかける。
あなたは日本語が分かるのですか?と。

すると牛が語り始めるではないか。


「あなたが来るのをお待ちしておりました。聞いていたのです。日本から高名なお坊さまがお迎えにいらっしゃると。実は私は前世の記憶があるのです。日本人でした。少しばかり良くない生き方をしまして、今まさに今世で修行をしております。インドで牛に生まれた時は絶望しましたが、この世でしっかり徳を積むべく他の牛に負けないように一生懸命働きました。そして、ようやく修行が終わりに近づきつつあります。最期にお坊様にお願いがあります。私はもうすぐこの世を旅立ちます。是非お経をあげていただき、私が迷わないように導いてほしいのです。」


お坊さんは思った。


この牛めっちゃしゃべるやん。
どれだけ日本人と話したかったんや、と。


「わかりました。しかとお話お聞きしました。ご苦労様でしたね。約束はしっかり果たします」


そして聞いた話の通り、翌朝牛が厩舎に倒れているのを飼い主が発見したのだった。

お坊さんは約束通りお経をあげて、牛の魂が成仏することを祈ったという。



noteを始める前はYouTubeで怪談動画ばかり見ていたのだが、確かこんな内容の話を聞いたことがある。
若干アレンジしてしまったが、有名な話なので聞いたことがある方もいるだろう。


今生きているのは徳を積むべく修行する為で、目標を達成するとあの世に行けるのだと。

詳しくは知らないが仏教の考え方に通じるのだろう。

私は死後の世界があるのかどうかは知らない。

この考え方も、先に逝ってしまった大切な人を亡くした理由をつけるために誰かが考えた創作かもしれない。


でも、こういう話は信じることにしている。


人生は修行。その通り。
しんどいことばかり。でもそれも己の鍛錬の為だと思うと我慢できることもある。


徳を積む為生きている。その通り。
不徳よりは徳を意識する方がたくさんの笑顔に出会える。それは真理だ。


あまりに早く逝ってしまった人を想うと、やること全部やったからゴールに到達したんだ、なんてなかなか納得できないけれど、彼や彼女が頑張ったと言うことだけは信じられる。


毎日大変だけど、いつか追いつけるように自分も頑張るよ、と思う。



大好きな川村結花さんの曲です。

『お引っ越し』

時々急にふらっとやって来て
ぽつりぽつりと鋭いコトを云う
相変わらずだね また突然
何も云わずに引っ越しするなんてさ

電話よりもメールよりもずっと早く
顔見て話すよりずっと伝わる
君がお引っ越ししたところは
どんな町よりきっと近いとこ

ねえ そっちはどうですか
もうそろそろ日がのぼるよ
あと どのくらいすれば
アタマとココロが 
ちゃんと一つになれるのかなぁ


今の景色はなかなかに良くて
やっと出会えた仲間とは上々で
しばらくはこっちでなんとかやるよ
気が向いたらメッセージください

大事な人にちゃんと大事だって伝えたり
云えなかったアリガトウを云ってみたり
ていねいに生きてみようって思う
ていねいに生きていこうって思う


ホント言うと少しは泣いたけどね
神様をキライになりかけたけどね
空があんまり青かったからね
君に会いたい 君に会いたい 君に会いたい
会いたい 会いたい 会いたい

ねえ そっちはどうですか
もうそろそろ日がのぼるよ
あと どのくらいすれば
アタマとココロが 
ちゃんと一つになれるのかなぁ


サポートいただきありがとうございます😊嬉しくて一生懐きます ฅ•ω•ฅニャー