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一日にできることは、限られている。
「一日は、有限だ」
頭ではわかっているけれど、つい無駄に過ごしてしまう。
自分の時間―――1日24時間でどう生きるか (三笠書房 電子書籍)を興味本位で手に取って、読んでみたら、自分の中に変化が起こった。
私たちは、本当に時間を有効に活用できているのだろうか??
おそらく、この問いに応えられる人は、少ないだろう。
いや、もしかしたら、
「私は有効に活用できている!忙しいんだ!」
と仰るかもしれない。
しかし、この本を書いた著者、アーノルド・ベネットは、本当に時間を有意義に使えている人には、お目にかかったことがないという。
この本は、1900年代に書かれているという、
いわゆる「産業革命期」に生まれたものだ。
そんな昔では、自分の時間を有効活用したいという思いは大きかったことだろう。
洗濯も手洗いでなされ、掃除も手でせっせと汚れを落とす。
雑事も、今とはくらべものにならないだろう。
それに対して、今の時代は変わった。
洗濯や掃除も機械のボタンをポチッと押せば、やってくれる。
何をするにしても、あらかじめ調合された薬や洗剤で、汚れも落とすことができる。
仕事だって、電子で保存できるから、紙でいちいち纏めなくていい!
楽な時代だ!
……いや、今の時代は、そうはなっていない。
産業革命期の予言では、もう今の時期にはとっくに、
働く時間が一日に3-4時間、週に10時間ほどになるはずだった。
みんなが、夢見ていたのだ。
しかし、どうだろう??
毎日はめまぐるしく忙しくなり、利益を倍増せよと
「もっと働くこと」を強制される時代だ。
ストレスレベルでいえば、かなり追い込まれているのかもしれない。
忙しい忙しいと、毎日を生きているのにやっとなのに、時間を有効活用をどうしようと言うのか?
実は、しなくてもいいことは溢れている
逆に、時間を捻出することが難しいのであれば、
「やるべきことを減らす」方法が有効だ。
出勤してメールチェック、家事であれば掃除は毎日するなど、
やらなくていいことが溢れている。
アーノルド氏によれば、やらねばいけないことを全部して、毎日疲弊してしまうなら、辞めてしまえばいい!と言うらしい。
過激な主張だが、人生が有限だということを考慮すれば、もっともな意見だ。
何気なくスマホを見ている通勤時間、帰宅してから寝るまでのささいな時間。それらを、「自分の人生を向上させるための時間」として使いなさいと主張されている。
本書は、「やりたいことがあってウズウズしている人」向けに書かれた、知的生産術が書かれている。
いや、むしろ、行動したくてたまらない人の背中を押す本なのかもしれない。
この本は120ページほどの薄い本だが、原著は今もなお、世界中で読み継がれているらしい。
長く読み継がれるということは、多くの読者に刺さるポイントがあるわけで、今でも充分に通用することが書かれている証拠だ。
知人や友達に
「一日は有限なんだよ」と言われても、
「うるさいなあ…分かってるよ」で終わってしまいがちだ。
だが、アーノルド氏が語っていることを読むと、
「目から鱗だ!」と驚いてしまう。不思議な一冊だ。
もちろん、この本は日本版に翻訳されており、訳者の解説も数十ページほど載っている。
訳者の渡部昇一さんの解説を読むのも、新たな視点を獲得できるので、熟読するのがおススメだ。
私たちは、いかに24時間を活用できていないか。
あるいは、どうしたら活用できるようになるのか?
本書が、その答えの一部を提供してくれることだろう。
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